講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』
集落づくりの社会実験―虫村プロジェクト
中村真広さん
KOU代表取締役・Ba&Co代表取締役会長・BUGSON村長。2011年株式会社ツクルバを共同創業。2023年に取締役を退任し、株式会社KOU創業。2023年より藤野に移住し、虫村のプロジェクトに着手。



1. 田舎と都市への憧れ
2. 塚本研究室からディベロッパーへ
3. 東日本大震災
4. オフィス空間のプロデュース
5. 住まい×テクノロジー
6. 藤野への移住
7. 虫村(バグソン)とは?
8. ヴィレッジ構想の射程
9. まとめ



1. 田舎と都市への憧れ
松村:  中村さんは株式会社ツクルバの共同創業者です。中古マンションの再販事業サービス「cowcamo(カウカモ)」を村上浩輝さんと立ち上げるなど、リノベーションビジネスで活躍されてきました。現在はツクルバを退いて神奈川県藤野にお住まいです。藤野というとアーチストやエコロジストの移住先として有名ですが、中村さんもこちらで虫村(バグソン)という実験プロジェクトを展開中です。もともと田舎暮らしに関心があったのでしょうか?
中村:  幼少期から田舎への憧れは強かったと思います。実家は千葉市にあって、祖父母と暮らす2世帯住宅で育ちました。田舎の親戚は少なく、ずっと首都圏内で暮らしてきた感じです。長期休みに友人たちが田舎に行ったりすると羨ましく思ったりしました。もっとも、中学受験をして東京の学校に通うようになり、そうした憧れは落ち着いてしまいました。就職後もほどなくしてツクルバを立ち上げるなど、東京的な価値観 にどっぷりつかった生活を送っていました。
鈴木:  逆に都市への憧れはなかったのでしょうか?
中村:  それもありました。千葉では賄いきれない都会生活に対して憧れがあったのも事実です。若い時はそちらの方が強かったと思います。実際、都心で暮らしていたツクルバ時代などは、子供の頃に憧れた大人になれたと思っていました。




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