講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


3. 東日本大震災
松村:  ツクルバを起業されたのは2011年です。東日本大震災と関係があるのでしょうか?
中村:  独立の直接的なきっかけになりました。震災前から村上たちと池袋でカフェを始めていたんです。震災でその事業が傾き、しかもそのタイミングで肺気胸を発症しました。僕自身の価値観が大きく揺さぶられ、いつまでも起業のタイミングを計っている場合じゃないと思った。ミュージアム・デザイン会社を退職する決心を村上に伝えたところ、二人で起業することになりました。
松村:  建築×何かという事業を、まずはコワーキング分野で具体化していったわけですね。
中村:  渋谷でco-ba(コーバ)を始めました。もっとも掛け合わせるジャンルに関して、特にこだわりがあったわけではないんです。流行り始めていたことに加え、自分たちのオフィスが欲しかったこともあってコワーキングに焦点を絞りました。
松村:  そうした経緯を聞いていると、宮崎晃吉さん(ライフスタイルを見る視点第48回)に通じるものがありますね。磯崎アトリエにお勤めだった宮崎さんがHAGISOの活動を始めるきっかけも東日本大震災でした。
中村:  宮崎さんとは起業の同期のような間柄です。それに、池袋のカフェプロジェクトで少し関わりがあったんですよ。
松村:  お二人ともリノベーションスクール(ライフスタイルを見る視点第44回)でユニットマスターとして活躍されていましたしね。
中村:  ブルースタジオの大島さんやR不動産の馬場さんなど、リノベーション分野の先輩の前で講演したりするのは良い経験になりましたが、当時はなかなか緊張しましたね(笑い)。




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