講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


5. 住まい×テクノロジー
中村:  次の節目は「cowcamo」の開始です。ツクルバは、自社事業で世の中を変えることを目標に村上と共同創業しました。ありがたいことに、様々なオフィス案件に携わるようになりましたが、4年目くらいに当初の目的を見失っているように思ったんです。もともとマンション会社で出会った2人です。住むことに焦点を絞ってテクノロジーを掛け合わせ、新しい価値を提供できる事業を立ち上げることになりました。
松村:  その次の節目はいつ頃でしょうか?
中村:  組織を大きく拡大した5〜6年目のことになります。それまでのツクルバは、実質的にオフィス空間をプロデュースするメンバーだけでしたが、cowcamoに成長の兆しが見えたので、エンジニアや不動産エージェントなどを大量に雇いました。さらに上場した2019年前後にもう一つの節目があります。それまではもっぱら事業拡大を図ってきました。しかし上場するとなると事業の再現性担保や安定経営なども求められるようになり、この時期にマネジメントのスタイルが大きく変わりました。
松村:  創業10年で代表を退きましたよね。事前に決めていたのでしょうか?
中村:  予め決めていたわけではありません。会社の成長と共に自分の役割が得意領域から乖離し、モヤモヤが蓄積していった結果です。建築出身者として0を1にするのは得意ですが、出来上がったものを伸ばしていくのは自分の関心から少しずれていました。



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