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佐藤: |
計画案があっても、その通りに造ったりしないとのことです。なぜ設計料を支払ってまで作成するのでしょうか?
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伊藤: |
計画案が存在することが大事だと思うんです。計画はあくまでフィクションであって、計画通りに行かないことを関係者はみんな分かっている。でもそうやって出来上がった姿は、単なる成り行きとは根本的に違うと思います。
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松村: |
計画がないと、何を目指したら良いのか分かりませんよね。
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伊藤: |
そうなんです。座標を定めるという意味合いがあって、そこからズレるのは全然構わない。あの時はこう考えていたけれど今はこうなったという、二つの世界が見えることが重要です。5年くらい職人修行したら、誰にでもRe SHIMIZU-URA PROJECTのようなことはできると思っています。結構パワーが要りますし、積極的なコミュニケーションも要りますが、必要なのはそれくらいです。
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佐藤: |
こうした空き家再生プロジェクトには、自治体などから補助を受けることも可能です。
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伊藤: |
実際、集落再生のために使える補助金があったりしますが、そうしたお金は漁港に使って欲しい。いずれにせよ、お金を一気に使ってめちゃくちゃスピードアップするか、お金と時間をゆっくり使っていくか、そのどちらかです。少なくとも2070年まで時間があります。あくまで自分たちのできる範囲で、冷水浦の空き家に向き合いたいと思っています。
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