講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


8. 暮らしと共に建築をつくる
伊藤:  2070年まで予定を組んでいますが、竣工は設定されていません。冷水浦のプロジェクトは暮らしと共に建築をつくる取り組みです。暮らしに終わりがないように建築づくりも終わらないという考え方です。
鈴木:  自分で設計されているのでしょうか?
伊藤:  設計はしないですね、チームでやりたいので。プロジェクトを始めた時には、パーシモンヒルズアーキテクツという関西大学出身の二人に設計をお願いして、土地購入費を超える設計料をお支払いしました。その計画案とは随分ズレがありますが、骨格は守っています。カフェ・ビアバーの西側に大開口がありますよね。改修作業は学生に任せましたが、計画案を踏まえて光を入れて欲しいというオーダーはしています。
松村:  確かに実際の建物は、彼らの内観パースとかなり違っていますね。
伊藤:  基本的に集落で不用になった資材を使っています。現場合わせが至る所に発生しますが、その判断を設計と呼ぶなら僕も設計しているのかもしません。計画案は、設計者を入れ替えながら5年ごとに作り直すことにしています。状況がどんどん変わっていくので、5年も経つと現実から遊離してしまう。現在の計画案は、2022年にミンガヤコレクティブに作成してもらいましたが、既にプロジェクトの建物数が変わっていたりします。




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