温熱環境リフォーム 設計・施工について

 

5) 天井の断熱リフォーム (ガイドブック33〜35ページ)

①天井・吹込み断熱工法
fig9  天井の断熱リフォームは日射熱の影響を緩和してくれるので、冷房効率が高まります。一番問題になるのが2階の天井ですが、小屋裏に入ることができる状況であれば、バラ状の断熱材を吹き込む方法があります。例えば既存の断熱材が入っている状態でさらに断熱強化を行いたい場合は、既存の断熱材の防湿フィルムが室内側に向いているかを確認したうえで断熱材を防湿層として敷き並べ直し (防湿層が連続する形にしたうえで)、その上にバラ状の断熱材を吹き込むことができます。この際に、断熱施工に対応してない照明器具、ダウンライト等があるケースも多々あります。その場合、照明器具は交換してもらうことになりますが、周りを養生して断熱材が被らないように施工することも可能です。吹込み断熱工法ですと作業空間が狭い状況でも吹き込む力により密実に施工できるのでリフォームには向いている方法になります。また、こぼれ止めは、細かい断熱材が壁の中に落ちないような対策と気流止めを兼ねるため、吹き込む前に施行します。
 
②天井・敷込み断熱工法
 敷き込み断熱工法では、天井を一度解体して野縁を組みなおして施工することがベストですが、小屋裏からも敷込むことができます。小屋裏の作業空間が確保できる前提であれば、最も安価に天井を断熱化することができます。これは、階間に断熱材を入れている写真ですが、野縁を組みなおしてその上に敷き込んでいます。気流止めも天井をはがしたときに同時に施工することができます。
 
③天井内張断熱工法
 天井内張断熱工法は、部分的な区画を形成するための改修としては非常に使いやすい工法です。下屋の天井は狭いため、小屋裏での作業が不可能なことが多いです。その場合は、天井に室内側から断熱材を貼り入れます。また、水回りは湿気があるため、湿気に強いプラスチック断熱材を選んで断熱化することも考え方としてあります。