温熱環境リフォーム 設計・施工について

 

3) 床の断熱リフォーム (ガイドブック31ページ)

fig6  まずは床下に入って作業ができるかがポイントになります。床下で作業ができれば、室内側を改修することなく下から断熱材をいれる、床下・充填断熱工法が可能になります。入れ方は根太間に充填する方法と、大引間に入れる方法の2つになります。時間的には、大引間の方が早く充填できますが、柔軟性のある断熱材を使用しないとなかなか難しいことがあります。
 
 図4は大引間に断熱材を入れたものです。外壁側の足元の部分の根太間に気流止めを充填します。大引の上に根太が乗っているわけで、大引間に断熱材を充填すると根太間の隙間が外壁側の隙間とつながってしまう状況になります。そこをしっかり塞ぐことが性能を確保するために必要です。現場で実際の床組みや断熱区画がうまく連続する場所を検討しながら改修する必要があります。

fig7  写真3は根太間に断熱材を入れているところです。このように、グラスウール系のボード状のものであれば柔軟な素材なので、根太ピッチに合わせた断熱材の寸法を選べばそれほど手間がかからずに断熱材を入れることができます。断熱材が落ちてこないようにどうするかについて、新築の場合だと落下防止の対策ができますが、床下だとビスの作業は時間を要してしまうため、荷造りバンドを使ってタッカーで止付けていく方法が有効です。断熱材を根太間に押し上げて接することができていれば自重で簡単には落ちてきませんが、断熱材が密着した状態を保つための対策として検討いただければと思います。

fig8

4) 基礎の断熱リフォーム (ガイドブック32ページ)

 水回りといえば浴室対策が重要になりますが、在来工法から浴室ユニットにリフォームする、または、浴室ユニットを交換する際に、基礎の断熱による足回りの温熱環境改善が必要です。写真4は基礎に断熱材を内張りする施工例です。