温熱環境リフォーム 設計・施工について

(5) 躯体と設備の設計・施工方法

 

1) 断熱リフォーム設計の手順 (ガイドブック23〜24ページ)

はじめに:ヒアリングと建物診断の結果をふまえて温熱環境リフォームの設計に入っていきますが、はじめに断熱性能を確認します。低断熱であれば、断熱リフォーム+暖房計画を検討しなければなりません。
Step1 断熱区画の設定:基本的に低断熱である場合に、要求条件と与条件を踏まえ断熱区画を設定します。まず水回りの断熱区画や生活範囲の断熱区画を検討し、既存断熱材がある場合、利用の可否を事前診断の結果を踏まえて判断する必要があります。そして断熱区画は外皮だけでなく間仕切り壁などが当たるため、外皮以外の壁や天井、建具を断熱化するかしないかを判断する必要があります。
Step2 部位の断熱仕様と開口部仕様の検討:断熱区画に当たる部位の仕様は、平成28年基準レベルが基本です。
Step3 暖房設備の検討:目標とする温度は、作用温度18℃以上になります。設計段階での想定は難しいですが、表面温度を断熱性能から計算するか、またはシミュレーションをして作用温度18℃を達成しているかを確認することができます。そして目標温度を達成する時間として、浴室や脱衣室等では15〜30分前後を目安として計画することが良いかと考えます。時間はあくまでも目安ですので、居住者の要望に応じて到達時間を検討していただく必要があります。
Step4 日射遮蔽と換気対策の検討:断熱リフォームでは必ず、日射遮へい対策と換気対策を合わせて検討する必要があります。換気対策は、0.5回/h以上の換気回数を日安としていただければと思います。

2) 製品リストの活用 (ガイドブック25ページ)

 壁や天井・床下に入れる断熱材や設備機器の仕様を検討する段階では、ベターリビングの「水回りの良好な温熱環境の実現に資する製品リスト」を利用することができます。
 このリストの中にある製品のボタンは、各メーカーさんのホームページやカタログにリンクしていて、ボタンを押すと具体的な製品情報にアクセスできるようになっています。