温熱環境リフォーム 設計・施工について

(6) 躯体設備の設計・施工方法〜部位ごとの設計施工の留意点〜

 

1) 開口部の断熱リフォーム (ガイドブック27ページ)

 内窓の設置による二重化は、取り組みやすい窓の改修方法の1つです。窓の荷重が増加することがありますので、下地の確認や窓枠の劣化状況等しっかり見ていただく必要があります。断熱性能に対しては、既存の窓と内窓とで合わせて性能を見ることもできますが、安全側で判断するのであれば外側の窓は計算に入れず、内側の窓だけで性能を検討するのがよろしいかと考えます。こうして大きな開口部を室内側から改修でき、冬季の冷輻射を抑えることも可能です。

2) 壁(外壁・間仕切り壁)の断熱リフォーム (ガイドブック28〜29ページ)

 図2の真ん中の断面図は、新築の外壁の絵と同じになっており、改修においても新築と同様の考え方で設計していただく必要があります。その理由は、外壁の断熱リフォームを行ったことで、その構成部材 (壁の透湿抵抗の構成) によって内部結露が発生してしまうリスクがあるからです。原則は外壁側に通気層をとる改修が必要になります。ただし、外装改修を含むと費用がかさむため、既存外装のままで通気層のない外壁の場合は、室内側の防湿層を十分に施工する必要があります。
 左側の図は床下になりますが、外壁と同様に通気層である床下換気孔があり、この床下換気孔の通気性を確認することが重要です。万が一、室内側から床下に湿気が入ってしまっても通気口があれば換気することができます。同様に右側の小屋裏の図では、室内側から湿気が入ってしまっても、小屋裏換気があれば湿気を抜くことができます。 fig2