フィンランドの高齢者住宅・施設事例から見る日本のこれから
〜日・フィンでの居住者アンケート結果を交えて〜 <その1>


3) サービスハウスの大規模化・複合化
 最近の都市部のサービスハウスは大規模化・複合化により、効率的にケアを提供していく方向となっています。更に、様々な会社と連携して、様々な最先端技術を積極的に組み入れて、効率的にケアが提供される、新しい住まいをつくっています。天井から音楽が流れてくるとか、座ると音楽が流れるというプログラムが住まいの中に取り入れられています。便座は赤や黒といった、認知症高齢者にとり視認性の高い色彩にしています。
fig13  写真18は比較的自立した高齢者向けのサービスハウスで、バルコニーやサウナがついています。キッチンには全部鍵がかかっていて、こういう利用者側の安全性についてシビアなところは、日本との感覚の違いを感じます。庭は囲って、安全性を確保して、地域とのつながりはあまり考えられていないようです。洗濯は全自動で、ボタン一つで洗剤も出てきて乾燥までしてといった、機械でできることはどんどん導入されています。
 図7はサービスハウスとサービスセンター、認知症グループホーム、地域の保健センター、小児クリニックが複合したものです。向かい側には薬局やスーパーがあります。地域の小さな町の、真ん中に位置している建物ですが、高齢者にとって、そばにスーパーと銀行、薬局のあることが大事です。プールは高齢者の健康増進のためのエクササイズや、地域の子どもたちのベビースイミングなどにも使われています。朝は地域の高齢者が集まってコーヒーを飲みながら時間を過ごすというような場面もあります。 fig14


<その2>へつづく