「これからの高齢者住宅」−サ高住・住宅型有料・特定施設・GH
「小規模・地域密着・多機能」−原点は『宅老所』・在宅死

(4) 認知症対応サ高住

fig7  サ高住にもいろいろなタイプが出てきました。その中にはさきほどの(株)コミュニティネットによる「ゆいま〜る那須」のようなCCRC型サ高住があります。
 その中で「ライフケアマンション神明」は、名古屋市桶狭間で(株)エル・シー・エスという会社が始めた、認知症対応サ高住です。
fig8  「ライフケアマンション神明」のサ高住は12室しかありません。1階に小規模多機能が併設されており、小規模多機能のスタッフがサ高住への訪問の形で、入居者へのケアサービスを行っています。小規模多機能はとてもフレキシブルなサービスで、通いや訪問の時間制限がありません。つまり、小規模多機能のスタッフがほぼ1日、2階のサ高住にサービスを行うことが可能です。12人の入居者は日中リビングルームでスタッフと一緒に過ごし、夜眠たくなれば居室に戻る。つまり、グループホームとまったく同じ暮らしができます。
 「ライフケアマンション神明」では、入居者を最初から認知症高齢者に限定しています。(株)エル・シー・エスはこれまで名古屋市内で有料老人ホームやサ高住を展開してきましたが、家族介護者が最も困っていることは自宅で認知症高齢者の介護が難しいということで、グループホームをつくろうとしたのですが、グループホームの供給量には抑制がかかっているため、認知症対応型サ高住を考えたとのことです。すばらしいアイデアだと思います。このように小規模多機能とサ高住を組み合わせて、グループホームと全く同じものを、法律に則ってつくることができます。