講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


5. リノベーションの台頭
松村:  そういう発想は、空き家が身近になった証でしょう。中古住宅をエコハウスに改修した濱恵介さんも「中古住宅を見つけて手間をかけるのは、住宅双六の新しい上がりかもしれない」と言っていました(ライフスタイルを見る視点第6回)。もっとも2000年代は、まだ助走期間という感じでした。20世紀とは明らかに違う動きが出ていたけれど本格化していない。一気に変わって行ったのは2010年代以降です。
鈴木:  確かに既に2007年には東京R不動産の話を馬場正尊さんから聞いていましたが(ライフスタイルを見る視点第21回)、Tool boxが始まったのは2013年になります。リノベーション協議会のRenovation of the yearが始まったのもこの年ですし、URひばりが丘団地のルネサンス計画1が公開されたのはその前年でした。
松村:  中古マンションのリノベーションは着実に広がってきました。集合住宅をカスタマイズするには、かつてはコーポラティブハウスしかありませんでした。しかし新築するにせよ中古を購入するにせよ、コーポラティブではほとんど立地を選べません。一方、通常のマンションは様々な場所に建っているので、中古を購入して全面的なリノベーションをすれば相当なカスタマイズができます。
鈴木:  この連載では時代を先取りする動きを色々と取り上げてきたと自負していますが、DIYもその一つじゃないですか。DIYerを取材したり(ライフスタイルを見る視点第13回)、「知的DIYの技術」を書かれた中野不二男さんの話を伺ったりしたのが2005年です(ライフスタイルを見る視点第15回)。
松村:  当時は日本のホームセンターの先駆者「ドイト」が、まだ存在感を持っている頃でした。神戸芸術工科大学に勤めるようになって改めて気付きましたが、建築学科以外は全て自分で作っている。自分で考えたものは自分で作るのが基本なんです。



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