「自立した後期高齢者のフレイル予防とくらしー自律的な健康行動を増やす働きかけー」
1) 新サービス「安心・安全・健康長寿応援メソッド」
- 旭化成ホームズ様のへーベルVillageでは、2022年4月に新サービス「安心・安全・健康長寿応援メソッド」の提供を開始されました。これまでのサービスが疾病やADLといった課題解決・狭義のケア視点であったことに対して、「安心・安全・健康長寿応援メソッド」では、相談員の役割が大きく変わり、健康寿命・フレイル予防視点からくらしを総合的に捉え、入居者の強み・できることにフォーカスして、下表のように設計・相談員・しかけが一体となった独自のメソッドで健康長寿なくらしを応援します。
◆表:「安心・安全・健康長寿応援メソッド」◆
| DESIGN設計 | COUNSELING相談員 | SERVICEしかけ員 |
安心・安全への取組み |
バリアフリーと防犯性 に配慮した設計 | 定期面談による 見守り | 設備による 見守り・駆けつけ |
健康長寿への取組み |
活動・交流を促す 元気になる設計 | 健康寿命視点の 面談 | 交流を促す しかけ |
2) 高齢者の健康行動 (運動・食事・交流)
- 東京都健康長寿医療センター研究所との共同研究では、この新しいサービスにより高齢者の健康行動が増加するとの仮説から、①相談員の役割、②健康行動、③健康度の3つを検証する調査を行いました。
- ①
- 相談員の役割:2022年8月〜12月の5か月間の入居者面談 (入居者112名・554件) では、相談員による運動を増やす応援の中では「運動習慣を教えてもらおう」(45件) が最も多いとなりました。食事を楽しむ応援の中では「好きな食べ物、食べて美味しかった物を教えてもらおう」「旬の食べ物を話題にしよう」(各35件) が最も多いとなりました。交流を促す応援の中では「携帯やスマホの活用を楽しんでもらおう」(70件)、「今日のおしゃれポイント、いいね!を見つけよう」(50件) が最も多いとなりました。このように相談員の役割は、健康行動の維持・増加の増加を応援するものとなっています。
- ②
- 健康行動:新サービス開始後、97%の入居者で健康行動 (運動・食事・交流) のいずれかで行動 (維持・開始) がありました。コロナ禍の第8波期間 (2022年12月ピーク) でありましたが、平均年齢84歳シニアが健康行動を実践しておられました。
- ③
- 健康度:83名の入居者の、新サービス導入初期と6か月後の健康度変化を調査しました。ロバストは1.2ポイント増加、プレフレイルは3.6ポイント増加、フレイルは4.8ポイント減少しました。半年間という短い期間にも関わらず、フレイルが減少いたしました。