講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


7. リノベーションスクールによる事業化Cサンロード商店街
徳田:  かつてこの通りにはサンロード商店街のみアーケードがありました。小倉駅に至るまで通り全体をアーケード化する計画でしたが、100mほど作って頓挫してしまったんです。するとアーケードを設けた部分だけ薄暗くなってしまい、かえって寂れた場所になってしまっていました。
そうしたサンロード商店街で老朽化したアーケードの撤去計画が持ち上がったので、撤去後をどうするか第4回リノベーションスクールの対象案件として取り上げることにしました。紆余曲折ありましたが、神奈川大学で教鞭をとられているみかんぐみの曽我部さんらの協力もあり、道路を緑地化しながら路上で商売ができるようにするという計画になりました。その社会実験を、第8回リノベーションスクールの「公共空間活用コース」で行い、法的には道路のまま広場化された場所に生まれ変わりました。アーケード撤去と通りの広場化を進めながら、株式会社鳥町ストリートアライアンスという事業目的会社も設立され、現在はこの会社がサンロード商店街の通りのマネジメントを行っています。



中屋ビルの隣では、北九州家守舎がイタリアンバル「Cucina di TORIYON」を運営していますが、その敷地を借り上げているのも鳥町ストリートアライアンスです。つまり、この場所を鳥町ストリートアライアンスから転貸してもらうことによって、Cucina di TORIYONの収益の一部が、道路の管理にも使われる仕組みを作っています。実はサンロード商店街のアーケード撤去を議論している頃、ここにあった建物が火事で燃えてしまい、不動産オーナーは再建を断念せざるを得ない状況でした。そこで、この敷地も第4回リノベーションスクールの対象案件にしまして、通りの休憩所のような場所を設けながら、そこで集まったお金が通りのマネジメントに回っていく仕組みが作られていきました。





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