講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


3. リーディングプロジェクト「中屋ビル」ス
徳田:  中屋ビルは、北九州のリノベーションの火付け役となった建物です。ビルオーナーの梯輝元さんは小倉家守構想から参加しており、北九州のリノベーションスクールのユニット活動もこの建物の3階で行っています。中屋ビルは二つの建物が連結されていて、魚町銀天商店街に面した5階建てと魚町サンロード商店街に面した2階建てから構成されています。5階建ての方は1フロア170坪ほどの規模ですが、37年間にわたって1階から4階までを婦人服屋さんが使っていました。しかし2010年に閉店してしまい、実質的な空きビルになってしまいました。
中屋ビルの最初のリノベーションは、小倉家守構想のリーディングプロジェクトとして梯さんが取り組みました。設計を担当したのは、梯さんと縁のあったらいおん建築事務所の嶋田洋平さんです。具体的には、4階部分とサンロード側1、2階部分に手を加え、クリエイター向けのインキュベーションスペースを2011年6月にオープンしました。
フォルム三番街」と名付けた4階は、もともと婦人服屋さんのバックオフィスだったので、たくさんの什器類が残置されていました。そこで、それらのリペアなどを10万円で行い、クリエイター向けのシェアオフィスにしました。会議スペースも机と椅子を並べただけですが、次第に町内の会合が行われるようになり、現在は公民館のような役割を果たしています。一方、「メルカート三番街」と名付けたサンロード側の1、2階では改修費用を極力抑えた工事を行って10区画のテナントスペースが作られました。メルカート三番街にはカフェや雑貨屋、本屋さんなどが入居しています。





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