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三澤(文): |
ニュータウンで職住隣接の生活をして改めて感じるのは、サラリーマンのお父さんは週末しか家にいないということです。でも通勤で疲れているから込み入った話とかはしない。子供の一週間の出来事を聞くのが精一杯でしょう。
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三澤(康): |
リタイアすると全く外出しない方もいるようです。外に出ても誰も知らないからずっと家に居ざるを得ない。あれはかなり辛いんじゃないかな。
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松村: |
多摩ニュータウンに住む知人から、家内は地域に人脈を持っていて、この先も生きていけそうだけど、毎晩遅く帰っている自分には寄って立つところが何もない。この先の自分のライフスタイルをどうしたらいいんだろうか、と言われたことがあります。これは多くの男性が抱えている問題だと思います。今後の手掛かりになりそうなことに気づかれたことはありますか?
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三澤(康): |
ご存じのように地区センターには行政主導の支援センターやデイケアセンターがあります。でも引っ込み思案な高齢男性が行くきっかけはなかなか無い。かえってこういう喫茶店の方が入りやすいようです。
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三澤(文): |
おじいちゃんの常連が数人いますよ。おばちゃんがノリノリでしゃべっているのを黙って聞いていらっしゃる。おもしろくないのかなとか思いながら見ていると、聞き耳を立てている。ちゃんとボケとツッコミの会話になっているから、おもしろいんでしょうね(笑い)。
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三澤(康): |
そうした年代の方々に聞くと、ファミリーレストランがある北千里のようなところに行っても、居場所は1つもないと言います。それだったら、商売なのかどうか分からないけれど、自然と人が集まってワイワイしゃべっているような場所の方が行きやすいですよね。「さんさんおはようさん」というNHK番組がありますが、あれは自営業の人たちの町だから面白い。ニュータウンも、住宅地として純化してきた用途地域の枠を少し柔らかくして、様々な人々が日常の昼間に行き来するような街になって欲しいですね。
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