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鈴木: |
グリーンバレーのメンバーは、もともとPTA活動などを一緒にやっていた仲間ですか。
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大南: |
そのあたりの5、6人がベースになっています。30代の頃から国際交流を行ったり、町に面白い人が来たら集まって話を聞いたりしてきました。現在は理事10名、職員5名の構成ですが、その他に15名ほどが事業に目配りしてくれているので30名ほどの体制です。グリーンバレーの事業に少しでも関わっている人になると、その5倍から10倍になると思いますが、関わったからといって入会をお願いしたりはしていません。田舎は忙しいんですよ。少年野球、少女バレエ、消防団に草刈り、祭りなど色々あります。さらにグリーンバレーに入って色々な事業に関わるとなると、しんどくなってくる。だから暇でないやつは来るなと言っています。例えば、アドプトプログラムのゴミ拾いにしても、何もすることがない人だけ集まればいいというスタンスです。
移住者に対しても特に優遇したりしていることはありません。この人には絶対来て欲しいと思ったりすると、普通は何らかの優遇措置をしたくなりますが、僕らはそれをやらない。だから、移住者が出て行くことになっても「もし帰って来たくなったら、いつでもおいでよ」と送り出せます。
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松村: |
全員が悟りの境地に達しているというか、居心地がよさそうな感じですね。そうした神山町の仕組みはどこの町でも作れるのでしょうか。それとも、神山町だからこそ可能なんでしょうか。
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大南: |
神山の取り組みは人間ベースの組み立てなので、どこでも展開できると思います。でも、「神山には独特のゆるさがある」と言われたりしますから、独特な点もあると思います。具体的に言えば、グリーンバレーでは「オープン、フラット、フレキシブル」を大切にしていることだと思います。
「オープン」というのは内と外の線を引かないことですが、そのためには「フラット」な関係を作ることが必要です。移住促進に取り組むと、いつの間にか上下関係を作ってしまいがちです。来て欲しいと依頼したり優遇策を作ったりした時点で、相手が上の立場になってしまう。移住者の好意だとしても、義務が生じたら同じことです。例えばSansanの寺田社長は「神山に来るからには地域貢献がしたい」と言ってくれましたが、そうしたことは考えなくていいと伝えました。空き家の紹介などはグリーンバレーが勝手にやっていることだと思ってくれた方がいい。
「フレキシブル」というのは、地元住民の経験に基づいた判断をしないということです。新しいアイデアが持ち込まれた時に、それまでの経験で判断をすると、結局、何もせずに話は立ち消えになってしまう。ですから、神山ではまずやらせますが、やってみて悪かったら止める可能性も同時にもたせておきます。
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松村: |
最終的な判断を保留にしたまま始めるわけですか。
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大南: |
僕らは何も分かっていないということをグリーンバレーの仲間は共通に認識していると思います。だから、実際に目にするまで分からないと考える。でも、実際にやってみればさすがに分かります。
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