幸福度No.1 デンマークでの楽しい毎日

成熟した社会デンマークでの幸福を感じる生活のあり方

プレミアート・デザイン・オフィス株式会社 山下裕加子氏講演より

平成27年9月24日

(1)はじめに:デンマークの基本データ

 私は大学卒業後、日本の設計事務所に務めた後、2004年から2008年の4年あまりの間、デンマークでアーバンデザインの勉強を行い、デンマークの都市建築デザイン事務所で働いていました。
 デンマークは幸福度No.1の国としてよく話題になりますが、様々な図書や学術的な研究を読んでも、毎日の生活についてあまり述べられていません。本日はデンマークに実際に生活した者の経験に基づいて、何が幸せと感じられているのか、デンマークの方々が何を重視しておられるのか、福祉先進国デンマークがどこからきているのかについてお話したいと思います。

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1)幸福度

・“World Values Survey”による2008年の調査で、デンマークの幸福度は100か国中1位でした。日本は43位でした。
・“Leicester University”(UK)による2006年の調査においても、デンマークの幸福度は178か国中1位でした。日本は90位でした。

 

2)デンマークの人口・面積・高さ

・デンマークの現在の人口は約562万人(フェロー諸島及びグリーンランドを除く)で、横浜市・川崎市を合わせた人口約511.5万人の1.1倍です。面積は約43,000 km²(フェロー諸島及びグリーンランドを除く)で、横浜市・川崎市を合わせた面積約580 km²の74倍です。このようにデンマークはとても密度の低い国です。
・デンマークの最高峰とされる地点の高さで170.86m(高尾山で599m)です。このようにデンマークはとても平坦な地形の国です。

 

3)Århus(オーフス)

 fig2・私が滞在したオーフスはデンマーク第2の都市で、人口約30万2千人(中野区約31万4千人)、面積: 約470 km²(中野区約15.6km²の約30倍)です。
・オーフスは港を中心に発展した都市です。西暦950年頃の図が残っていますが、ここで描かれている教会や運河が今も残っています。運河はモータリゼーションが盛んになったころ、埋め立てられて道路が敷かれた頃もありましたが、それは環境上もよくないということになり、撤去して運河に戻しました。これがデンマークらしいところの1つです。19世紀につくられた旧市街地は、運河を含め、観光客もよく訪れるエリアになっています。

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・オーフス大学は、ランドスケープアーキテクトによる自然の起伏を生かしたデザインが施されています。これもデンマークらしいところですが、大学には塀がなく、だれしも自由にキャンパスに入って、自然の環境を楽しんでいます。

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