エリアマネジメント

柏プロジェクト
 −住宅メーカーに期待するこれからの高齢期の住まい

東京大学高齢社会総合研究機構 辻哲夫特任教授
 日本は既に超高齢化・人口減少という未知の社会に突入し、団塊世代は2030年には全員が80歳以上になり、認知症高齢者の数は700〜800万人に達すると予測されている。これからは、“認知症仕様”の社会システムが必要であり、フレイル (介護) 予防が鍵となる。その要件は、「食」「身体運動」「社会参加」の三点である。
 デンマークでは、高齢者ケアの3原則を「生活の継続」「残存能力の活用」「自己決定」としているが、その基本に「住まい」がある。地域包括ケアシステムとは「住まい」を中心に、医療、介護、生活支援、予防の仕組みを構築を目指しているが、従来の取組みでは「在宅医療」が欠落していた。
 柏市豊四季台地域において、「柏プロジェクト」として、様々な試行的実践を積み重ねている。Aging in Placeをコンセプトに、「いきがい就労」「365人24時間の在宅医療・看護システム」「24時間対応のサービス提供拠点とサービス付き高齢者向け住宅」を実践し、真の地域包括ケア体制のモデル化を図り、他地域への普及を目指している。
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郊外住宅地における空き家問題の現在

(株)吉武都市総合研究所及び明治大学園田教授講演
 2013年の住宅・土地統計調査によると、全国の空き家数は約820万戸、空き家率は13.5%と、ともに過去最高に達した。2014年11月には「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空き家特措法)が成立し、2015年5月に完全施行され、管理不全空き家への対処が、法的に位置づけられた。2015年はまさに「空き家元年」である。成熟社会居住研究会では郊外住宅団地再生の重要なテーマとして、空き家の課題に取り組んでいきたい。
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