柏プロジェクト
−住宅メーカーに期待するこれからの高齢期の住まい
出歩きする上でも最も有効なのは地域就労といえますが、「いきがい就労」と在宅での24時間ケアシステムの2つを地域の中に埋め込む取り組みを進めました。
在宅医療で大事なことは「かかりつけ医」です。1人の「かかりつけ医」が365日24時間の医療ケアにあたるのは、通常は難しいため、医師のグループを組んだり、24時間対応の訪問看護のシステムをつくったりといった、合理的なモデルづくりに取り組みました。さらに特養や特定施設ではなく、サ高住で看取りまでできる、真の地域包括ケアシステムのモデルづくりに取り組みました。
「いきがい就労」は、農業や子育て支援、地域の高齢者の生活支援、福祉施設のバックヤードなど、高齢者が地域社会に貢献するものです。基本的にブロック就労として、4〜6人で2人分の仕事を行うという、ワークシェアとも呼ばれているやり方です。例えば週3日午後だけ農業とか、放課後の学童をお預かりして、本の読み聞かせなどを専門の若い職員とうまくシェアリングしながら行うといったやり方で、モデルとして成功しています。
地域包括ケアシステムに在宅医療は必須条件であり、柏市の場合は医師会が、入院患者が将来確実にオーバーフローするということの問題意識を持ち、在宅医療に医師会として取り組むことを決定されました。柏市の医師会は、豊四季地域と北地域、南地域の3つの地域に分けて、地域毎に、各かかりつけ医をバックアップする医師のグループシステムづくりや、看護師との連携システムづくりを目指しておられます。そして医師を含む多職種連携のシステムを司り、土台をつくるところは市町村です。柏プロジェクトが始められたころは、在宅医療・介護の連携を市町村が司るという法律にはなっていませんでしたが、法律改正により平成30年4月から、在宅医療・介護の連携を推進する取組みが市町村の義務となりました。
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