トップページ 「まちと住まい」の実践事例 「家族が集まりたくなる部屋」 指導案・活動案 授業実践例




  指導計画の第2時において、家族が集まりたくなる部屋の構想を学習シート<図1>に整理する。

  指導計画の第3時において、間取り作成ソフトを利用して、構想をもとに、コンピュータで間取り図を作成する。
<図1 構想案のまとめ>
  指導計画の第4時において,家族の集まりたくなる部屋の間取りについて、インテリや雑誌やカタログを参考に間取り図の作品を仕上げる。<図3
その際ゲストティーチャのアドバイス<図2>を参考にその配置について配慮しながら作品を仕上げる。<図4
 
 
<図2 ゲストティーチャの方からの
アドバイス>
<図3 作品づくり>
<図4 できあがった作品>

  指導計画第5時(公開授業)においてゲストティーチャから家族が集まりやすい快適な場所づくりに関する工夫や方法についてのアドバイスを受ける。<図5
工夫や方法についてのアドバイスをもとにコンピュータでの間取り作成ソフトを利用して間取りの修正を図る。<図6
またその際、直接ゲストティーチャからアドバイスを受けて間取りの修正にいかす。<図7>     
 
 
<図5 ゲストティーチャからの
ポイントの説明>
<図6 コンピュータで間取りの修正>
<図7 ゲストティーチャからの
アドバイス>

  修正前と修正後の間取りの違いや配慮を加えた点について比較検討を行い家族が集まりやすい部屋にするための留意事項について確認を行う。
<図8 修正前・後の比較検討>
  ゲストティーチャからのアドバイスも加えた作品を仕上げる。そこには生徒一人一人の家族が集まりやすい部屋づくりの思いがこめられた作品となった。
<図9 完成した作品>



 
     下記の生徒の感想に見られるように、生徒たちにとっては身近であるはずの住居に関 してこれまでじっくり考える機会が少なかったことが伺える。今回の授業を通して自分 の生活を振り返り、今後の生活に活かそうとする関心や意欲が見られた。
     
    <女子>
     最初はただ間取りを考えて、置きたい物を置いていくだけだったし、どうやったら悪いところを良くできるのか、わかりませんでした。だけど「これはこっちに置いて、これは横にずらすといいんだよ。」とかいろいろわかりやすくゲストティチャーの方から説明してもらえたので、前よりもずっと良い部屋にすることができました。とてもうれしかったです。
 5時間目のコンピュータ室での授業ではどうやったら家族の人たちやお客さんが気分を悪くしないで暮らせるかがとてもよくわかりました。自分の家もそれを参考にして変えてみたいと思いました。
 部屋のことととか今まではあまり考えないで、置ける場所に物を置いていたけど、どうしたら良いのかがわかりました。
     
 
    <成果として>
   
生徒同士による相互評価やゲストティーチャの方からのアドバイスを参考にしながら、コンピュータを活用し、家族が集まりやすく快適に生活するための間取りの工夫や配慮すべき事項をとらえさせることができた。
事前にゲストティーチャの方との打合せを十分に行うことで、生徒の実態に合ったアドバイスを受けることが可能となり、生徒にとっても住空間を快適にする要素に気づき、家族が集まりやすい快適な場所づくりのための工夫や方法についてとらえさせることができた。
コンピュータ(間取り作成ソフト)を利用することで、視覚的に間取りを把握することが可能となり、体験的、創造的な活動を通して、実際に生徒自身の家庭で実践してみようとする意欲を高めることができた。
     
    <課題として>
   
技術・家庭科担当教師のTTや住居に関する専門的視点からゲストティーチャを活用を図る上で、技術分野、家庭分野担当者の役割や住居に関してどこまで指導すべき内容であるのか、あらためて確認検討する必要あろう。
マルチメディアの特徴と利用方法に関する知識を身につけるために、利用するソフトウェアの活用方法や生徒の取り組みに対する評価の方法などあらためて検討する必要があろう。


    岩下 宏之 (輸入住宅産業協議会:スウェーデンハウス株式会社)
輿水 芳恵 (2×4建築協会:三井ホーム株式会社)
佐藤 隆一 (プレハブ建築協会:積水ハウス株式会社)
根岸 理香 (プレハブ建築協会:積水ハウス株式会社)
米田 誠   (日本木造住宅産業協会)