学校教育において系統的に住まいや住環境を扱ってきたのは家庭科ですが、総合的な学習の時間の導入によって、体験的な活動や地域との連携がより取り組みやすくなったといえます。住まい方や住環境をテーマとする学習は、対象が身近な空間から住環境までと内容が広範であること、地域や学校の個性が生かせるという特長もあります。子どもたちは感覚を駆使して対象とかかわる生き生きとした体験的な活動を通してこそ、自分の考えをもち、表現し、周囲と交流し、学んだことを自分の生活に活かしていくことができるでしょう。それは、生活を創造する力の基礎を育むものと考えます。 ここで紹介する事例は、教科で取り組んだ授業や、総合的な学習の時間の活動もあります。また、複数の教科や教科と総合的な学習の時間のつなぎながら、展開していくものもあります。 住まいや住環境の学習の実践は、一方で、情報不足や準備時間・研究時間の不足など多くの問題を抱えていますが、これらの実践報告が住まいや住環境の学習に関心をもつ方たちのお役に立ち、交流を生み出すきっかけを作ることができればと願っています。