トップページ 小中学校における「まちと住まい」の実践事例集



 学校教育において系統的に住まいや住環境を扱ってきたのは家庭科ですが、総合的な学習の時間の導入によって、体験的な活動や地域との連携がより取り組みやすくなったといえます。住まい方や住環境をテーマとする学習は、対象が身近な空間から住環境までと内容が広範であること、地域や学校の個性が生かせるという特長もあります。子どもたちは感覚を駆使して対象とかかわる生き生きとした体験的な活動を通してこそ、自分の考えをもち、表現し、周囲と交流し、学んだことを自分の生活に活かしていくことができるでしょう。それは、生活を創造する力の基礎を育むものと考えます。
  ここで紹介する事例は、教科で取り組んだ授業や、総合的な学習の時間の活動もあります。また、複数の教科や教科と総合的な学習の時間のつなぎながら、展開していくものもあります。
  住まいや住環境の学習の実践は、一方で、情報不足や準備時間・研究時間の不足など多くの問題を抱えていますが、これらの実践報告が住まいや住環境の学習に関心をもつ方たちのお役に立ち、交流を生み出すきっかけを作ることができればと願っています。


宮城県仙台市立南小泉小学校 6年生 総合的な学習
授業者: 菅原 弘一(現職:仙台市立東二番丁小学校)
 地域の歴史たんけんをもとに未来のまちづくりについて考え、模型に表すという活動を通して、ものごとを総合的に考え判断する力を養います。
 
徳島県美馬市立初草小学校 6年生 総合的な学習
授業者: 藤本 勇二(現職:阿波市立市場小学校)
 生活の知恵や自然環境をテーマにして、子どもたちと地域の人が互いに学び合えるような関係をつくり、よりよい住まい手、つくり手は育みます。
  ここでは暮らしの知恵については食と農を切り口にした実践を、自然環境に学ぶ視点ではカジカガエルと穴吹川について実践します。
 
仙台市立南小泉小学校 1年生 生活科
授業者: 石井 里枝(現職:仙台市立沖野小学校)
 生活科での学びをより豊かなものにするために、体験や活動から得られた知的な気付き、自分なりの思いや願いを生かし、「公園の模型づくり」という創造的な表現活動に挑戦します。
 
大阪教育大学付属池田小学校 1・6年生 総合的な学習・家庭科
授業者: 林 美恵子
 学校の生活空間としてよく利用されている「和室」を取り上げ、「和室」の使い方の現状を把握し問題となっていることをどのように考え解決していくか、また、本来の和室のよさを生かしてもっと使いやすい快適な室内環境にしていくためにはどう工夫していけばよいかを考え実践していきます。
 
東京都中野区立上鷺宮小学校 5年生 家庭科
授業者: 濱崎 タマエ(現職:練馬区立田柄第二小学校)
 住みたい家を作成し、豆電球1個分の明かりをゼネコン(手回し発電機)でつける体験を基本イメージにして住みたい家のエネルギーを体感したり、集まって住むことで生じる住問題などから他者との「関わり」・「関連性」を学びます。
 
 つくば市立谷田部東中学校 3年生 総合的な学習・技術・家庭科
授業者: 吉田 淳/押野 弘子
及び住団連派遣ゲストティーチャ
 間取図に雑誌などから切り抜いて家具を配置したり、コンピュータ(間取り作成ソフト)を利用して家具やインテリアの配置や工夫のポイントを学び、家族が集まりたくなる部屋の間取りを学びます。
 
東京都大田区立小池小学校 6年生 総合的な学習及び家庭科
授業者: 横山 みどり
 「快適な住まいってなぁに?」と問い掛けることによって、同じ住宅でも住まい方によってたくさんの「快適」が生まれるということに気付かせる学習です。
 
長崎県佐世保市立天神小学校 6年生 総合的な学習・家庭科及び算数
授業者: 高橋 ちあき(現職:長崎県佐世保市立黒島小学校)
 思いを生かした「モデルルームの模型」作りを通して、発見したことを表現する住まいの学習です。
 
琉球大学付属小学校 5年生 総合的な学習及び家庭科
授業者: 金城 明美
(現職:沖縄県沖縄市立泡瀬小学校)
 身近な家庭生活を振り返って思いやこだわりを基に課題を見出し、「生活環境」に気付き、自分の生活にどう工夫すればよいか考え合うことを目標とします。
 
 6年生 総合的な学習及び家庭科
授業者: 町田 万里子(前職:筑波大学付属小学校)
 「住まう」という毎日の生活の営みは自然環境と深くかかわっています。生活の行動や態度をふりかえる方法として、チェックリストの利用は手軽な方法です。
  また、チェックリストをただチェックするのではなく、はじめから作ってみることによって、子ども達の考えを深め、自ら学ぼうとする意欲を与えます。