トップページ 「まちと住まい」の実践事例 「集まって住まう」 指導案・活動案



 
 
 
住みたい家を近隣・地域へ「どう配置するか」と視野を広げるなかで「まち」づくりに意欲的に取り組む。
(関心・意欲・態度)(創意工夫)
家に住むということは私の都合だけではない公としての問題(近隣との生活など)をはらむことに関心をもち、知る。(関心・意欲・態度)(知識・理解)
家の配置ひとつ如何においてもエネルギーをはじめとした環境問題とつながることに気づく。(関心・意欲・態度)
家族や近隣との生活を振り返り、集まって住む場の要件を考える。(知識・理解)
 
 
主な学習活動・子どもの反応
留意点・支援
資料・準備
紹介された友だちの「住みたい部屋」をめぐって自由コメント交流
「わあ!カッコイイ」「楽しそう」「こりゃ、便利だ!」
電気の単位となる1W分の明かり5分間分を豆電球をつなげたゼネコン(手回し発電機)で体験してみる。
「手がキツイ」「もうだめー」
「うはあ、重たい」‥
現代の子どもたちの生活を象徴的に表す作品を紹介した後「このステキな部屋を維持するためのエネルギーは?最も多く使うのは?・・」とエネルギーに関心を引きつけていく。


明かりが途中でプツリプツリと途切れたり、明るさが弱くなったり、強くなったりと点滅しないで安定した実用としての明かりが必要であることを強調する。
安定した明かりとしてろうそくの炎の明かりと比較させる
子どもたち各自が製作した内側に「住むためのステキな部屋」が描かれた牛乳パックの家を持参
ゼネコン2人に1台
1Wの豆電球
リード線つきソケット
5分間で炎が消えるように長さを切りそろえた「ろうそく」と固定皿2人に1セット
暗幕使用の部屋にて床でサークル形にすわって行う
体験後、電化製品の1時間当たりのw数と豆電球○個分の計算しながら自分たちの快適で便利な部屋を維持する電気エネルギーへと思いをはせる。
「マズイじゃん」「そんなあ!」
テレビやゲーム機など代表的な電化製品の1時間あたりのw数や平均家族や学校の一か月分の実際量を提示
学校の月ごとの電気使用量表や家庭の使用量表
コンビニや自動販売機等の使用量表
牛乳パックの自分たちの家を床に印した1m四方の区画に自由に置いてみる。500mlサイズ、1リットルサイズの高低様々な家々がてんでバラバラに置かれる。
「エー、私の家に日が当たらないよ」「ボクのは、一日中、家の中に光が入らない」「周りが高い家ばかりで景色が見えないじゃない」
1m定規4本を枠にして床の中央に区画をつくる。
集められた家々に太陽に見立てた光源を斜め上や真上から当ててみる。
(子どもたちのつぶやきを適宜、拾いながらみんなに投げかけたりする。)
光源ランプ
「風も通らない」「これじゃ、家がカビちゃう」「病気になる」
そうしたら?」(T)
「病院にいく」「アー、金がかかる」「病気にならないようにすれば」
「どうするの」(T)
「除湿機とかクーラーとか」「まずいじゃん、エネルギーが増えるし」
「はあ〜」「電気だけじゃなくてストーブの石油もガスもだあ!」
扇風機で風を送ってみる。(子どもたちのなかからの気づきに授業の流れをまかせる)




方角を意識させるために使用教室の東西南北を確認。「冬になったら?」子どもたちに問う。家の配置と南との関係を意識化させる。
扇風機
自分の家の部屋の設備に応じて、電柱(トイレットペーパー芯)へとつなげる。見るみるまに家と家との屋根が線で埋め尽くされてしまう。

「きたない」

「空がない」「ここいつも通っていたのに・・」

「電線のない町にしなくっちゃ!」「そんなこと無理」
(つぶやきが議論になりはじめる)
「ぼくはこれ以上電線をふやさないほうがいいと思います。それは晴れの日に、電線がじゃまで青い空がみえなくなって電線だらけになるのがいやだから」「1wおこすにも自分で自力でやるのには5分間手を回していなくてはいけない。とてもとてもつかれた。でも町には電気がなければとても困るし」「ロウソクの時代にもどれるわけじゃないし、電気がつかえないとテレビがみれないし」「絶対無理!」‥

「きれい」「電線のない国もあるんだ」「そういえば、光が丘ってところは、確か地下に電線があるんだよ」「でも、なんで日本は電線が空なんだろうね」「地下にすれば」「でもさあ、今からじゃ無理でしょ」「光が丘ってところは、新しく町をつくったからできたんだよ」「日本は電気をたくさんつかっているのかな」‥
好きな音楽やゲーム、テレビといった娯楽に満たされた「私」にとっての居心地のいい部屋を維持可能にさせるために、ひとつの家に引き込まれる電線や電話線、有線、ケーブル線などなどを家の途中、途中に置いた電柱へとつなげさせてみる。

「鳥の目になって」と上からできがった「まち」を見つめさせる。
「アリの目になって」学校の周囲の空を下から撮影したビデオを見せる。
渡り鳥たちが電線に絡まっている新聞記事を紹介
つぶやきを交流させ議論へと流れをつくる
電話線は緑、有線は青、電線は赤、ケーブル線は‥という具合に色ちがいのミノムシクリップのリード線を人数分準備
電柱にみたてたトイレットペーパーの芯(底に油粘土を詰め、止められたクリップの重みで倒れないようにしておく)数本

ビデオ
新聞記事
ベルギーの街並みの風景写真を紹介
風景写真
本日の授業感想を書く
家をつくった時も置いた時も、すごくどーでも、どこでもいいやと思っていたけど、ただ作ったり、置いたりだけじゃダメだ
ろうそくの時代にはもどれない。電気がなければろうそくだってたぶんつくれないし、すぐろうがとけちゃうから、ばく大な金がかかる
私はこのまま電線を増やし続けてはいけないと思います。それは、あるていどの便利さは必要だけど、そんな自然をこわしてまですごくべんりにする必要はないと思うからです。それに動物達だってすみかをうしなうわけだし、絶対、増やしちゃダメです。人間だけ特別な目で見るなんて間ちがっています!
私は今日町をつくって、電線がありすぎると、街がきたなくなるし、なかったら電気がなくてこまるから、むずかしいと思った。だから、私はいっきにはむりでも、少しづつ電線をへらしていけばいいと思った。