講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


8.第3回瀬戸内ブッククルーズ「イチョウ並木の本まつり」
鈴木:  瀬戸内ブッククルーズはどのようなきっかけで始まったのですか?
根木:  始まりはSOHO BOOKMARCHEというイベントです。倉敷市児島地区にキャピタルというアパレルメーカーがありまして、旧児島図書館・公民館を購入してちょっとしたモールをつくった。そこで開かれるイベントに僕が古本屋仲間を集めたんですが、そのうち本屋主催のイベントを企画しようという話が持ち上がりました。
岡山大学にあるJテラスカフェで開催したのは、僕が絵本講座をしているCAFÉ Zのつながりです。と言うのも、Jテラスカフェの運営を委託されているのがCAFÉ Zでして、「本のイベントをするなら無料で貸せると思う」と言って頂いたんです。Jテラスカフェは、地域の人々と学生の交流の場にして欲しいという願いを込めて、福武文化教育復興財団の福武純子さんが寄付された建物です。本のイベントはその趣旨に合うだろうというわけで、大学にも了解してもらえました。
鈴木:  第3回の「イチョウ並木の本まつり」のパンフレットを見ると、岡山大学の図書館も載っていますね。
根木:  先ほどpieni..というカフェで教室を開いていると言いましたが、そこでは「本の虫」というグループが読書会をしていて、その中の1人が岡山大学の司書をされています。その方と知り合ったので「瀬戸内ブッククルーズに除籍本を出せないかな?」って聞いたんです。そうしたら上司に相談してくれて、試験的に大学の除籍本をイベント販売することになりました。
ちなみに、アメリカでは図書館の除籍本が結構流通しています。NPOのような団体が本を引き受けて、その利益を大学へも還元しています。ですから、アメリカの古本屋は除籍本を大量に扱っています。日本では廃棄処分が基本ですが、一部は地域に配布されていて「除籍本処分します。○月△日に取りに来てください」といった呼びかけが、地域のお知らせに載っていたりします。もっとも、最近は大量に持ち帰って売る人がいるので、冊数制限があるようです。
松村:  確かに古本を買ったら大学のハンコが押してあったりしますね。今度のイベントでは除籍本コーナーは目玉になりそうですね。
根木:  見てみると結構楽しい本もあるんです。初めての事なんでやってみないと分からないところもありますが、一冊200円で売って100円の手数料を頂くことになっています。今回のイベントは規模も大きくしてボランティア募集も公にしているので、大学生も参加してくれます。このイベントが本に興味を持ってもらうきっかけになってもらえると嬉しいですね。





前ページへ  1  2  3  4  5  6  7  8  9  次ページへ  


ライフスタイルとすまいTOP