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松村: |
下請けとか、物を作ってらっしゃる方というのは、代々家業として続けておられるんですか。
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丸橋: |
基本的にはそうですね。技術職ですから、人を雇うとかではないんでしょう。やっぱり、家族じゃないと継ぐ事が出来ないんじゃないでしょうか。
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鈴木: |
仕入先などに若い人はいますか。
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丸橋: |
いますよ。若い人も増えています。もうほとんど私よりも若くなりましたかね。そうした若い人と意見が食い違ったりして、苦労することもあります。
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松村: |
建築の世界では、後継者不足が問題になっています。そのような問題はありますか。
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丸橋: |
製造は働いた時間しかお金になりませんよね。それに、私たちが作っている品物は、これ手伝って、と言って、気軽にできる物でもない。また、部品も規格品が多くなって、細かい部品などが次第に揃わなくなっています。なかなか続けるのも難しくなっています。
私自身は古い物が好きですけれど、伝統を守って続けるとなると、話は別になってきます。伝統を大切にして下さいと言われても、難しいこともたくさんあります。次の世代の意欲を掻き立てたり、京都らしさを守ったりするためには、しっかりと現状を検分して、良いものとどうでもいいものを分けていかなければなりません。自分たちも生活のためにはいろいろと割り切っていかないと。
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