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板井: |
実際に入居可能なことが分かったので、各コアがどういう状況なのか1年くらい調べ上げ、様々な評判が入り交じった6コアに入ることしました。自治会と住民の色々なトラブルの噂があったんです。その一方で、自治会が他のコアよりも機能していない状態なので、ルールもそこまで厳しくないという評判でした。
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松村: |
住民でないと分からない内部情報です。どうやって集めたのですか?
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板井: |
ラジオ体操に通ったんです。基町ではラジオ体操が週5回あって、その後はカフェでモーニングを食べる習慣があります。そこで住民の方々と一緒にカフェに行って、「ここのコアはどうですか」と自治会の様子を聞いていきました。
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松村: |
家賃はどうですか。最近の団地は学生優遇などがあったりします。
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板井: |
家賃も入居を決めた理由の一つです。3Kの間取りが学生で1.5万円/月くらい、若年夫婦だと3万円/月くらいだったと思います。いざ入ってみて、多国籍のコミュニティに改めて驚きました。14か国ほどの人々が住んでいるんです。バラックの頃から培われてきた長屋文化も色濃く残っていて、仲良くなったら普通に物々交換します。入居してすぐのことですが、ここで生きていけると実感したことあります。お隣さんからビーフシチューを頂いたんです。器を返しに行ったら、玄関先の灯油タンクが空っぽだった。「入れてきましょうか」と聞いたら、まんざらでもなさそうに「ありがとう」って。灯油を入れてきたら「これ、今日の晩ごはんね」って、また食べ物をもらってしまいました。
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松村: |
長屋文化と多国籍文化が混在する場所なんですね。
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板井: |
基町高層アパートに遊びに行くのは、まるで海外へ行く気分でした。ショッピングセンターでは様々な方がお店を営んでいます。中でも中国や朝鮮半島出身の人たちのお店は比較的入り易くて、それぞれの文化に触れられるのが楽しみでした。
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