講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


4.団地の中の貸し庭と菜園
田辺:  貸し庭「コロニーガーデン」は9区画あります。面積は30m2から50m2の幅がありまして、3つに小屋が建っています。小屋のない一番安い区画が月7,875円です。小屋付きのところは50m2で18,900円です。芝生の部分は年間4回の手入れを私どもで行いますが、基本的には借主にお任せしています。
松村:  居住者以外にも貸し出されているんですか。
田辺:  当初は入居者優先で募集を行っていましたが、現在はその制限を外して他の方々にもお貸ししています。コロニーガーデンの1区画はお隣の「ゆいまーる」にお住まいの方が使われています。その方は東日本大震災の被災者で、東北で農業をされていたそうです。
鈴木:  どれくらいが借りられているんですか?
田辺:  貸し庭利用は半分を越えた程度で、9区画のうち5区画の契約があります。菜園の方は6割から7割程度が使用されています。実はコロニーガーデンは使い方が難しかったようで、7月の入居当初は誰も借りなかったんです。どう使っていいかイメージが湧かないという状態でした。現在は1区画をブルースタジオに借りて頂いて利用方法のイメージモデルを示しています。

小屋は専ら用具入れなどに使われていますが、本来は中で読書するような使い方を想定しています。ただ、小屋に宿泊するのは規約で禁止しています。野火も禁止ですが、バーベキューは器具を使う場合のみOKです。こうした規約はURと協議して作成しています。
松村:  かなりアドバンストな感じですよね。庭のコテージで読書する、というスタイルを団地に持ち込むのは。
田辺:  先日、ブルースタジオの代表とデンマークの「コロニヘーヴ」を視察してきました。デンマークではこうした庭の利用の仕方はかなり多様でした。今後はAURA243でも色々な工夫が出てくるのを楽しみにしています。



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