講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


9.都心から郊外へ
鈴木:  物件紹介のテキストもすごく面白いじゃないですか。物件を探してくる方が書いているんだろうと思いますが、どういう人がコピーなどを書いているんですか?建築畑の人じゃないんですか?
馬場:  最初は建築学科出身が多かったんですが、まずアパレル出身者が2人ほど採用されました。彼らは、飲み込みが早い上に、なんと言っても接客がうまかった。建築出身者は、次第にうまくはなって行くんですが、基本的に接客下手じゃないですか(笑)。

その後は不動産の経験者もパラパラ採用されていきましたが、最初は不動産なんて全く知りませんという人が多かったですね。そうしたスタッフが物件を探して自分でWebにアップして、顧客対応も自らが担当しています。
鈴木:  かなりちゃんとしたコピーなので、工夫しているんだろうなぁって思いました。
馬場:  入社試験は大変厳しくて、なかなか入社できないみたいです。これだけできるのに落とすんだ、という感じでバッサバッサと落としていますね。
鈴木:  採用のポイントは何ですか?
馬場:  コミュニケーション能力じゃないですか。それと組織に馬が合うかどうかということもあるでしょう。変に幻想を持たずにドライでコミュニケーション能力がある、そんな優秀なスタッフがそろっています。僕の設計事務所のスタッフよりもよほど押し出しが強い。彼らが契約書を開発していった感じはしますね。
鈴木:  新しいタイプの人材というか職能が生まれつつある感じがしますね。
西田:  やはりいろんな仕事を経験してきた人が多いですか?それと平均年齢はどれくらいですか?
馬場:  新卒は採っていなくて、何らかの職業の経験者です。営業スタッフの年齢は20歳代半ばから30歳代で、平均で30歳といったところです。実は、僕が最年長です。
松村:  ところで馬場さんどこに住んでいるんですか?
馬場:  品川の案外普通の所に住んでいます(笑)。メディアバリューなしの場所です。
鈴木:  Webサイトを見たんですけど、房総の方に新しく土地を買われて…
馬場:  そうなんです。ちょっと違う都心居住のオルタナティブを試みたいと思いまして、房総に土地を買って設計中です。そのプロセスを1年前から「リアル東京エスケープ」というブログにアップしています。というのも、郊外問題がすごく重要なような気がして仕方なくて、「積極的に住む新しい郊外」というイメージを実験してみようと思っています。



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