講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


5.不動産仲介の始まり
佐藤:  そうした仲介をやるとなると免許が必要ですが、その辺はどうしていますか?
馬場:  このWebサイトをちゃんとした不動産仲介業に衣替えした時に、そのノウハウを持った人と組みました。吉里裕也というのが都立大を出てディベロッパーに入った人で不動産関連の免許を持っていました。林厚見というのは東大からマッキンゼーに行ってその後コロンビア大の不動産学科に留学していたので、不動産も分かっていてビジネスとして組み立てるのがうまかった。安田洋平というのは編集者です。そして三箇山泰という鉄砲玉のように「俺が物件集めてきます!」みたいな若者も集まりました(http://www.realtokyoestate.co.jp/about.php)。

最初は5人で起ち上げて、免許を持っている人間がいたので宅建業の免許を取りました。免許は「スピーク」という会社が持っています。ですから、形式上は私の会社のOpenAは編集と製作を受託していることになります。
松村:  そうすると「東京R不動産」っていうのは何の名前なのですか?
馬場:  Webサイトの名前です。東京R不動産にアップしてある物件は全部あわせると1000件は超えていると思いますね。その中には入居済みの物件も含まれますけど。
松村:  エリアで言うと、神田・東日本橋界隈だけじゃないわけですよね?
馬場:  最初はこの近辺からスタートしたのですが、やはり難易度が高いんです。今は東京の西側もかなり増えて、物件が元気よく動いているのはあちらの方です。神田・東日本橋界隈の物件は、どちらかというとWebサイトのシンボリックな存在になっています。これは運営をしながら徐々にそうなっていったという感じです。

今は物件を探すスタッフが十数人という結構な大所帯になっていて、それで食っている人間がたくさんいます。最初はこの辺の手強い物件、要は自分たちで空間を作れないととても利用できない物件ばかりだったので、いつまでたっても動かないんですよね。8ヶ月くらい1件の成約もありませんでした。
佐藤:  それ、仲介業として成立していませんね(笑)。
馬場:  まぁ半分趣味だから、ということでやっていたんですが、新しいスタッフが入ってくるとそうも言っていられません。それで、東京の西側に土地勘のあるスタッフが、この近辺だけでなく東京の西側にも楽しい物件があるよ、って物件を集め出したんです。すると、こちらを見にきて無理だと思った客が、案外あちらのソフトな物件を決めたりするんですね。エリアを拡大することによって物件バランスが良くなり、成約もどっと増えて不動産仲介業として動き始めたわけです。



前ページへ  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  次ページへ  


ライフスタイルとすまいTOP