ライフスタイル考現行


「UR空き住棟の改修利用実験「たまむすびテラス」(3)ゆいま〜る多摩平の森」

0.はじめに

『UR空き住棟の改修利用実験「たまむすびテラス」』は3つの事業で構成されています。そのうちの2つは「ライフスタイルを見る視点」の第31回と第32回で取り上げたとおりです。もう1つの「ゆいま〜る」はこちらの「ライフスタイル考現行」で紹介します。

日時:2011年11月26日(土)15:20〜16:30〈ゆいま〜る多摩平の森〉

久須美則子さん
株式会社コミュニティネット(入居相談室)
櫛引順子さん
株式会社コミュニティネット(運営部 ゆいま〜る多摩平の森ハウス長)
山岡理恵子さん
株式会社コミュニティネット(広報室)
石川左門さん
ゆいま〜る多摩平の森居住者。難病患者とその家族を支援する市民活動に取り組み、1972年全国難病団体連絡協議会の設立に参加。社会福祉法人創燐会名誉会長。



1.ゆいま〜る多摩平の森の事業企画
2.サービスの内容
3.入居者参加型の高齢者住宅づくり
4.ゆいま〜る食堂兼多目的室
5.居住者インタビュー@居住者プロフィール
6.居住者インタビューA入居のきっかけ
7.居住者インタビューB入居者参加のための空間



1.ゆいま〜る多摩平の森の事業企画
山岡:  事業者はコミュニティネットと言いまして高齢者住宅づくりを行っている会社です。ゆいま〜る多摩平の森ではURと20年間の定期借家契約を結び、2つの住棟をサービス付き高齢者向け住宅(申請中)とコミュニティハウスとに改修しています。もともとは階段室型住棟でしたが、バリアフリー化するため既存階段を撤去し、片廊下とEVを新設しています。さらに両者を結ぶ形で平屋建ての建物も新築しています。こちらは多目的室兼食堂棟と小規模多機能型居宅介護棟に分かれています。
松村:  サービス付き高齢者向け住宅とコミュニティハウスにはどういう違いがありますか。
山岡:  運営は一体ですが、入居対象者が異なります。サービス付き高齢者向け住宅の方は、日野市在住の60歳以上の方が対象です。その配偶者は60歳以下でも入居可能です。一方、コミュニティハウスにはそうした制限はありません。全ての入居者を日野市から集めるのは困難という経営上の判断もありまして、こちらには日野市以外の方も入れます。年齢制限もありません。実際に私どもの30歳のスタッフも住んでいます。
松村:  建物の仕様はどちらも同じですか。
山岡:  緊急通報機能が付いているなど基本仕様は共通です。住戸には2KのAタイプ、納戸付きワンルームのBタイプ、独立キッチンのある1KのCタイプの3タイプがあります。サービス付き高齢者向け住宅にはAタイプ、コミュニティハウスにはBタイプを多く設けています。Cタイプは女性に人気で全部埋まっています。
鈴木:  キッチンだけを別にしたい人は多いでしょうね。
山岡:  介護を受けている方もいますが、元気な方は自炊される方が多いですね。
松村:  入居者はご夫婦が多いのでしょうか。
山岡:  ご夫婦もいますが、最も多いのは75歳くらいの女性の単身者です。ただ実態としては入居者は様々でして、60歳以下の方もいますし男性の一人暮らしもいます。

実は2人で暮らせるAタイプはシェア暮らしを想定したものですが、お一人で住んでいる方が多いですね。近くに人の気配があってちょっとした見守りがあると安心感があるんじゃないかと考えましたが、フタ開けてみると全く知らない高齢者同士のシェア暮らしはなかなか難しいようです。



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