20世紀の不都合な真実と、その打開策
- 住宅ローン債務のくびきからの解放
(2) 郊外住宅地の現在
- 高度成長期に、金の卵と言われた団塊世代の方々が大勢首都圏にやってきて、結婚し、郊外で家を買って、子育てしてきました。現在の郊外には、子育てが終わり、夫がリタイアして、夫婦で悠々自適に暮らす住宅地や、開発した時期が古く、夫が亡くなられて妻が一人暮らしで残っている住宅地があります。こうした住宅地において5年から10年後、そこが空き家となった若い世代が入ってくるのかが、多くの方々の関心を集めています。
- 郊外住宅地は虫食い状に開発が進み、開発単位ごとに開発時期や事業者が異なっています。どこが一つのまとまりのある開発単位なのかはGoogle Earthでも一目で分かります。整備された家や道路の様相が既成市街地とは全く違うので判別が容易です。図2のような1970年代に開発されたところと1990年代に開発されたところでは、開発に20年の差があり、1990年代に開発されたところでは、まだ「高齢者はどこにいるのですか?」という状況ですが、1970年代に開発されたところでは「子どもはどこにいるのですか?」という状況です。郊外では、高齢者は局所的に偏在しています。
- 地図で考えることはすごく重要で、開発時期の異なる住宅地が隣り合っている状況を、地図上でとらえると、何が起きているのかがリアルと分かると思います。