20世紀の不都合な真実と、その打開策
- 住宅ローン債務のくびきからの解放
明治大学理工学部教授 園田眞理子
(1) 東京の住宅市場の近景
- 図1のグラフをご覧いただきたいと思います。
- 日本のどの地域においても、年齢層別人口分布は、1948年前後に生まれた団塊世代と、1973年前後に生まれた団塊世代ジュニアがピークとなる、ふたコブラクダのいびつな形になっています。団塊世代が生まれたころは、年間平均270万人の出生数がありましたが、現在は年間100万人を辛うじて上回る程度にまで出生数が下がっております。さらに2012年から2015年の間に、日本全人口の8%に相当する800万人が65歳以上となり、税金を払う側から年金を受給する側に移行します。また、新築住宅の購入者の年齢層は、主に30歳代後半から40歳代ですが、団塊世代ジュニアは40歳を既に過ぎており、新築住宅購入時期の人口が右肩下がりになっていきます。