講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


ライフスタイルを組み立てることとは?

松村 先日受けた取材で、「先生のライフスタイルはどんなものですか?」と聞かれて答えに困ったことがありました。私はあえて自分のライフスタイルを組み立てていこうという意識が希薄なようです。
黒野 高橋鷹志先生が新潟大学にいらしていた時に、ずいぶんゆっくりとした生活をなさっているのな、と感じましたが、本人曰く「東京にいるときはこんな風ではない」そうです。東京の先生方は皆が驚くような忙しさで働いているというイメージがありますが、それが東京の人のライフスタイルなのではないでしょうか。
鈴木 長く住んでいればそこで良い、と思うのではないでしょうか。あえて1ヵ所に留まらないライフスタイルの人もいると思いますが。
松村 前回までのインタビューで西川先生と芹沢さんにお話を伺いました。西川先生のお話は、近代家族の解体の流れから、ネットワークに支えらる「個人」になるだろうということでした。芹沢さんのお話は、究極の姿を見るところから家族を考えたいということで、痴呆や虐待された子供などのいる施設から家族を見ていらっしゃいましたが、「個人」で生きるということにならない限り家族で暮らすライフスタイルを組み立てる必要がない、ということでした。
黒野 私は、ライフスタイルは努力して作っていくものではないと思っていますが。
松村 私は自然に仕事を中心としたライフスタイルになっていますが、その価値観が変わる出来事に遭遇した時にどのような対応をしていけばよいのか、とういことを考える必要があると思います。例えば、引越しで環境が変わった場合などがありますね。
何の地縁もなく長く都会に住んでいますが、もし引っ越すことが簡単なことになってきたら面白いことになるかもしれません。
黒野 その人なりのライフスタイルよりも、場所ごとのライフスタイルがちゃんとあって、それにあわせて生活を組み立てていくのが面白いのではないかと感じています。
松村 例えば、都会人がスローライフをしたいから農家を改修して住む、ということもありますが。
黒野 私は無くなるよりもモノが残ることが大切だと思っています。
西田 それほど個性的な場所があるのか、ということがあります。東京と大阪や新潟と秋田などはあまり変わらないのではないでしょうか。自分のライフスタイルが変わるほどのインパクトは無いように感じます。現在の日本ではその中で動いたとしても、あまり変わらないかもしれませんね。コンビニさえあればよい、というのもありますしね。それは面白くないことです。
松村 それは社会の均一化という現象ですね。便利は便利ですが。日本は世界に比べて転勤が多いからなのでしょうか。
西田 京都は伝統があるという点が違いますよね。
松村 鈴木先生は幾つかの都市に住まわれた経験がおありだそうですね。自分の生活が変わったということはありましたか。
鈴木 街の使い方が少し変わったかもしれません。家族ができ子供ができたことも大きいですが、京都ではまだ個人商店などもふくめた地域社会がしっかりしているので、他とは違うと思います。


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