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石井: |
最近思うんです、都会と田舎の間で文化や教養の格差がものすごく広がっているんじゃないかって。何が豊かな暮らしなのか、ジャッジする力が衰えているのは結構深刻です。そういう意味でも、セレクトされた本を手に取れる場所が街中にあるのは大切なことだと思っています。
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松村: |
過疎の街でも「あそこは面白いよ」と言われるところは、新たな豊かさを持ち込む人がいます。移住者たちが個人的経験を持ち込んだりしている。
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石井: |
うきはについて言うと、先輩に恵まれています。それがこの街にお店を作ろうと思った理由の一つです。例えば「四月の魚」という雑貨屋さんがあります。オープンして20年以上経ちますが、すごい雑貨を選んでいて全国的にも注目されています。そういう人たちは、表だった街おこしをしているわけではありませんが、緩やかにつながっていて「あいつ最近元気ないけど大丈夫か」と声を掛け合う雰囲気があります。この界隈にもスペイン料理のレストランやお茶屋さんなどが新たにオープンしていますが、地元にずっといる人だけでなくUターンしてきた人のお店も見かけるようになりました。
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鈴木: |
ミノウブックス&カフェの存在がこの界隈に影響を与えているんでしょうね。
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石井: |
この前のことですが、小学4年生の四つのグループがやってきたんですよ。ここを紹介したいって。街の紹介マップを作る授業があって、六つのグループに分かれて取り組んでいたそうです。店の前は小中学生の通学路ですが、小学生だけでこの店に入ってくることはほとんどありません。でも本がいっぱい並んでるこの場所が気になっていたようです。

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