講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


2.エコデザインのクライアント
佐藤:  その後独立されたわけですが、その時点でエコロジカルなデザインに特化した設計事務所をやっていける展望はありましたか?
山田:  ある程度はありました。例えばエコビレッジを日本でも展開する動きがあります。私もそれに関連するセミナーなどで何回か講義をしましたが、聞きに来られていた方の一人が豊橋の「いるかビレッジ」のオーナーです。当初は住宅主体のエコビレッジを計画していましたが、福祉分野にも関心をもたれていたので、園芸療法に使える畑がついたデイサービスセンターや育児支援施設の計画に発展して行きました。もっともこうしたものを実現するにはそれなりの原資が必要です。いるかビレッジのオーナーも兼業農家で土地をお持ちの方でした。土地や建物を持っている方が何かのきっかけで一工夫したプロジェクトに取り組むという場合が多いようです。
西田:  この「里山長屋」のような家を建てたいという方はいらっしゃいますか?
山田:  お声がけは頂いていますが、融資が受けることが難しいので予算的に難しいことも多いですね。実はこの里山長屋も全員自己資金で建てました。そもそも一般の銀行はコーポラティブ方式にローンを組んでくれません。住宅金融公庫がなくなった現在はコーポラティブ方式にお金を貸してくれるところはほとんど無いように思います。ただシェアハウスについては数年前に比べて社会の理解が追いついてきた実感があります。



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