「高齢者向け住宅水周り等介助動作寸法に関する研究」より

【質疑応答・意見交換】

成熟研委員:トイレの間口900mmということでしたが、便器の中心から見たらどれだけの寸法が必要ですか。
山口教授:便器の中心までは350mmで計算しているので550mmです。
成熟研委員:トイレの壁には、てすりや紙巻があり、結構を密集していると思うのですが、それらを勘定に入れないで芯から見たほうがいいということですか。
山口教授:そうですね。ただ前抱え介助の時は350mmでやっていますが、実験の時はここを10cm広げたりもしています。10cm広げると、職員さんがしっかりかがめるということになります。20cm広げるとトイレットペーパーまで遠くなるので、非現実的だと思います。
成熟研委員:大変分かりやすく、実務に直結した話をありがとうございます。間口は取れるけれども奥行きが取りづらいというのが現実にあって、先ほどのお話で、例えば900mmくらいでも、そこを扉にして開放すればいいというのが現実的にはよくあることなのですが、その時に開口部の有効幅が全部1500mmなくてはいけないのか、扉が少し残っても大丈夫なのか、残っている部分が後ろと前で違うのか、有効開口はどのぐらいあれば良いのかといった。といった目安があれば教えていただきたいと思います。
山口教授:数値は言えないのですが、便器側の扉に関しては介護職員さんが最初に入ってしまえばいいというところがあるので、扉が少し残っていても、屈むことのできるスペースがあることが重要だと思います。その反対側の扉は、完全に開けていただきたいです。今日はご紹介できませんでしたが、床走行リフトを使って入っていくパターンがあります。そういう時にリフトの脚が入ってくるため、完全開放した方が介助はしやすいと思います。


以上