講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


6. 様々な世代が行き交う街へ
奥村:  意外だったのは、サ高住の入居者の半数を県外の方が占めたことです。例えば、入居してからヘルパー二級の資格を取得された73歳の男性がいます。2015年の9月からシェア金沢の支援員として働いていらっしゃいますが、この方は横須賀からやって来ました。60歳からオーストラリアに移住していた85歳の女性の方は、ご自分でインターネットから申込みをされました。移住後にできた友人たちが次々に高齢者施設に入所してしまい、もはやオーストラリアに住んでいても仕方ないと思ってご自分で入所施設を探していたそうです。
私どもは地域の方々に「シェア金沢は自分たちの場所だ」と思って頂くことが大事だと考えています。2013年にまちびらきをしたシェア金沢ですが、最近は近所の保育園児が勝手にやってきて弁当を食べたり遊んだりしています。近くの小学生が写生に来てくれたこともあります。この夏は地域の子供たちがやってきて、障害を持った子供たちと一緒にラジオ体操していました。とりわけ嬉しかったのは、田上神社の御輿がシェア金沢を練り歩いてくれるようになったことです。

《シェア金沢の建物の間に設けられた歩道とベンチ》



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