| 松村： |
なんかやっているの？自分家では？
|
 |
| 西田： |
全然やっていないです。
|
|
| 鈴木： |
そのあたりは、武庫川女子大ではねらい目じゃないの？
|
|
| 西田： |
短大のカリキュラム変えるときに、壁に珪藻土塗ってみようみたいな授業を入れることになっているんです。
|
|
| 鈴木： |
それは誰が言い出したの？
|
|
| 西田： |
建築材料の先生が言い出して、材料の演習でそういうの取り入れたら学生がのるんじゃないかっていうことなんですけど、どっかの部屋の壁を塗り替えるのならまだしもボードに珪藻土塗ってもしょうがないように思うし、やり方はうまく考えないといけないでしょうね。
|
|
| 鈴木： |
話はちょっとずれるけど、何度も話題にした千里ニュータウンの街角広場の前に東屋があるんですよ。支柱がボロボロに錆びていて、どうも40年間に一回しかペンキを塗り替えていないらしい。前から気になっていたんだけれど、ちょうど地域に技術指導して下さる方がいらっしゃったので、来週学生たちとペンキ塗りをやることにした。最近なんとなく、街歩きしてワークショップやって、提案をパワーポイントで見せたりするよりもペンキの塗りかえしたほうが地域のためにいいんじゃないかと思い出したのと、そもそもペンキぐらい塗れないとまずいなあというのもあって。塗りかえれば確実にきれいになるのに、そのままに放置されているところ街の中にいっぱいあるよね。
|
|
| 松村： |
案外何も知らなくなってしまったというか、何か故障したりすると、人よばないといけないように思っている。ペンキなんか誰でもぬれるんだから。
今から10年ぐらい前にアメリカは圧倒的にDIYをやっていて、アメリカ人にDIYについてレポート書いてもらった。そうしたらまず最初に日本の方々にこのことを知って欲しいというページがあって、何でも自分でやっていますアメリカ人は、車の修理だってちょっとしたことなら自分でやるし、役所の届出だって、日本だったら代願とかいって代筆してくれたりすることがあるけど、そんなの全部自分でやるし、何もかも全部自分でやることが前提となっているようなライフスタイルの中で住宅もそうだということになっているのであって、もし日本の方々が、車も車屋に修理を出していて、役所の届出も代願屋に頼んでいて、家だけDIYやっているというのはありえないんじゃないですか、生き方として、と言っていた。
|
|
| 鈴木： |
アメリカに限らないかもしれない。東京に住んでいるフランス人の知り合いは自宅の増築を全部自分でやったみたいだし。
|
|
| 松村： |
ヨーロッパの人たちはね。僕もスウェーデンで聞いたけど、かなりの人がセカンドハウス持っているんだよね、北欧では。それで大体それを自分たちで建てているよね、当たり前のことの様に。
|
|
| 西田： |
この前メールにも書きましたけど、ノルウェーのベルゲンという町のテレビ番組を見ていたら、足場も立派に組み立てていて、住民がプロみたいにペンキを塗っていましたね。それは旦那さんはもちろん奥さんもやるし、ベルゲンにはペンキ屋さんがいないんじゃないかって。
|
|
| 松村： |
これも今から10年ぐらい前にハウスジャパンというプロジェクトを経済産業省とやっていて、DIY向けの部品を開発するというのをテーマにした企業があって、そこが色々アンケートをとっていてね、まずどんな工具を家に持っているかを尋ねていて、金づちとのこぎりぐらいは持っていると思っていたのよ。ところが80パーセント以上の人が持っているのはドライバーセットだけでね。ヘッドだけ入れ換えて透明の箱に入ってて、6種類ぐらい入っているやつ。あれしか持っていない。それでね、あれしかもっていない状態ではDIYは何にもできないという結論になった。
|
|
| 鈴木： |
人にもよると思うけど、今はもう少し工具を持っているような気がするな。
|
|
| 松村： |
僕が子どもの頃はのこぎりもあったし、当然かんなとか、かなづちも何種類かあった様な気がする。折りたたみ式になっていてひろげると大きくなるやつがあったよね。
|
|
| 鈴木： |
今、それは多分ないね。
|
|
| 松村： |
港北ニュータウンに住んでいたとき、一階の賃貸で、１０坪ぐらいの庭がついていた。そこに、ある机を置こうと思ってね。山に行ったときそこで飯を食うような木で出来たテーブルとベンチがくっついている一体化して4人ぐらいで座れるやつ。そういうキットがホームセンターみたいなところに売っていたわけ。それを買ってきて、釘を打ち始めたら、ものすごい音がするんだよね。団地中に反響して鳴り響くわけ。ゴーン、ゴーンっていう感じで。「できへんな、ここじゃあ」てことになった。周りが団地で囲まれているから反響したんだろうね。団地内で今何かが行われているという感じだし、みんなからは見られるし、ちょっとこれどうしようということになって、ちょこちょこしか釘を打てなくなった。大胆に作業できる場所がないよね。アメリカだと一般にガレージがあって、ガレージに工具セットとか置いてあってね。
|
