(写真2)モダンな住宅のアプローチです。内部が見えないような高い壁ですが、通り側に小さな庭があり、コンクリートだけだと冷たくなりがちな印象を柔らかいものにしています。
この地域は山手にあるため、段差のある敷地も多く、それぞれアプローチに工夫がされていました。

(写真3)和風の住宅のアプローチです。曲がりくねった階段が内部を隠しつつ、植裁が訪問する人の目を楽しませます。

(写真4)洋風の住宅です。アーチをくぐって階段を上る楽しい仕掛けとなっています。写真は冬に撮ったものなのですが、暖かくなると花を咲かせたりするのかもしれません。
ここからは大きくない住宅でも可能な例です。

(写真5)それほど規模の大きくない住宅の場合は、塀ではなく柵にし、細い素材で透明感を出すと圧迫感がなく、庭も暗くなりません。前庭がなくとも鉢植えを置いて、楽しませることができます、

(写真6)大人の胸の高さほどの小さな門ですが、門灯などのデザインや素材と共にこだわりが感じられます。門は防犯や境界を示すという機能だけでなく、通りゆく人や訪問する人の目を楽しませるものでもあります。

(写真7)上の住宅の塀に記された手形と日付。家への愛着が感じられます。

(写真8)門のデザインと一体となったオブジェ。散歩の途中で立ち止まってしまいそうです。ヨーロッパの都市住宅では壁に像が彫られたりすることがありますが、このような工夫もあってもよいのではないでしょうか。

(写真9)階段の素材、ステンドグラス、植裁と扉全てに配慮が感じられて、こじんまりとしていながらも気持ちのよい空間です。
都市が過密になり、住宅と通りの関係が密接になるほど『挨拶』を意識するということは大切になってきます。効果的に『挨拶』を演出するには、乱雑なものは見えないようにすること、近隣との連続性なども考慮することも大切です。
まずは通りから我が家を眺めてみて、何に一番目が留まりやすいか調べてみて下さい。それは気持ちのよい『挨拶』となっているでしょうか。
(文責:中田早耶)