海野宿にある建物のほとんどが現在では一般の住宅となっています。人々の生活が垣間見られるのも海野宿のよいところだ
と思います。しかし、現代的な生活は時に伝統的なまちなみを汚してしまいかねません。海野宿では歴史的なまちなみと現代の
生活がうまく共存できているように感じました。一見、普通の住宅でも江戸時代の屋号が付けられています。新しく建物を建設
する場合、沿道には当時の建物を残し、新しいものは裏につくるようにしているそうです。消火器やゴミ置き場にも格子の要素
を取り入れ、まちなみに合ったデザインが施されています。重要伝統的建造物群保存地区に指定され色々な規制がかかっている
のも事実ですが、住人がまちを大切にしていることが、美しいまちなみの形成に繋がっているのではないかと思いました。見学
中も住人の方が話しかけて下さり、熱心にまちのことを色々と教えて下さいました。美しいまちなみをつくるにはそこに生活す
る人たちのまちへの思いが必要だと実感しました。(文責:平松彩奈)

(写真8)屋号のついた住宅

(写真9)格子で囲われた消火栓

(写真10)木でつくられたゴミ置き場