まちなみに配慮した住まいづくり
 −部位別提案手法マトリックス−
「建物・3.外壁」

まちなみ要素として視覚的に多くの面積を占め、印象を決定付ける部位が外壁である。特にアイレベル部分は素材選びに注意する。大壁面や突出する部分では、仕上げ素材に変化をつけるなど、のっぺりした印象、そそり立つような印象をさける。色彩については、調和の法則に基づいた計画が大切。室内の明かりを適度に通りに反映させることも効果的である。壁面緑化については、環境的効果はもちろんだが、立体的に目に入る緑は通りの繁雑さを和らげる。
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用語解説
期待できる効果で絞り込む:
I.安心
期待できる効果:I.安心・圧迫感を緩和する
具体的手法:形態を工夫する
適用分類:4N、6N
改善レベル:新築レベル
外壁に曲面を付け柔らかい印象、建物とゲートを一体化してゆとりが感じられる(開口部のない大壁面の威圧感を緩和)
期待できる効果:I.安心・圧迫感を緩和する
具体的手法:素材を工夫する
適用分類:4W、6W
改善レベル:新築レベル
幾何学的形態と2種類の外壁材のバランスにより、そそり立つ印象を避けて個性を表現している
期待できる効果:I.安心・圧迫感を緩和する
具体的手法:緑化装置をつける
適用分類:4N、6N
改善レベル:DIYレベル
トレリスの色と植物(クレマチス)の色のコントラストが美しい
期待できる効果:I.安心・通りを明るくする
具体的手法:素材を工夫する
適用分類:4W、6W
改善レベル:改築レベル
乳白色のガラスで視線を遮り通りに明るさを提供、建物内部の表情が出るつくり
期待できる効果:I.安心・領域・プライバシーを確保する
具体的手法:素材を工夫する
適用分類:4W、6W
改善レベル:新築レベル
ガラスブロックと型ガラスのジャロジーで室内を隠し、通りに対しては明かりを落としている
期待できる効果:I.安心・領域・プライバシーを確保する
具体的手法:緑化装置をつける
適用分類:4N、6N
改善レベル:DIYレベル
1年を通じて緑が保たれる常緑のツタ(オオイタビ、ヘデラコルチカ)で開口部の目隠し、通りへ緑量を提供している
II.快適
期待できる効果:II.快適・隣家・通りへ配慮する
具体的手法:形態を工夫する
適用分類:4N、6N
改善レベル:改築レベル
外構と建物と一体のデザインとなった宅地の角、円柱とすき間の適度な開放感が通りに対して柔らかな表情をつくっている
期待できる効果:II.快適・調和した穏やかさを出す
具体的手法:形態を工夫する
適用分類:4N、6N
改善レベル:新築レベル
外壁材料と屋根の納まりですっきりとした外観、素材の用い方と色彩が柔らかな効果をだしている
期待できる効果:II.快適・調和した穏やかさを出す
具体的手法:素材を工夫する
適用分類:4W、6W
改善レベル:新築レベル
伝統的に自然素材を多用している日本家屋の色彩の調和
期待できる効果:II.快適・調和した穏やかさを出す
具体的手法:素材を工夫する
適用分類:4W、6W
改善レベル:新築レベル
建物壁面の金属素材と特徴的な形が際立っているが外構の塀の個性的な素材との調和を見せている(塀は板と石とレンガの組み合わせ)
期待できる効果:II.快適・エコロジー(生き物との共生)
具体的手法:緑化装置をつける
適用分類:4N、6N
改善レベル:改築レベル
外壁をまるごと緑化に挑戦している小住宅(住み手の強い個性が感じられる)
期待できる効果:II.快適・エコロジー(生き物との共生)
具体的手法:緑化装置をつける
適用分類:4N、6N
改善レベル:改築レベル
壁面から6cm離してステンメッシュを張りその間に人工改良土を入れた緑化装置(夏場の壁面の温度上昇を抑える)
期待できる効果:II.快適・エコロジー(生き物との共生)
具体的手法:緑化装置をつける
適用分類:4N、6N
改善レベル:改築レベル
建物に取り付ける壁面緑化装置は壁面を傷めない


III.楽しみ
期待できる効果:III.楽しみ・地域特性を活かす
具体的手法:素材を工夫する
適用分類:4W、6W
改善レベル:新築レベル
地域名産の栗をイメージした外壁色、歩道は栗の木のレンガ敷き、素材の質感でしっとりとした表情(長野県 小布施)
期待できる効果:III.楽しみ・住まい手の演出を促す
具体的手法:花など植物を飾る
適用分類:−
改善レベル:改築レベル
壁面に台を取り付け植栽置場とし、単調な壁面を楽しむ


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