まちなみに配慮した住まいづくり
 −部位別提案手法マトリックス−
「II.快適・調和した穏やかさを出す」

不調和や無配慮の解消と温かさや落ち着きなど快適は望ましい効果です。見苦しいものを隠したり、統一した美しさを見せたり、柔らかい素材を使用したり、ちょっとしたスペースを確保すると、居住者にも通る人にも快適な空間が創出されます。
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用語解説
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建物
部位:1.全体配置
具体的手法:アルコーブをつくるよう配置する
適用分類:4W、6W
改善レベル:新築レベル
木製枠の印象的な窓で通りに表情を出す。アプローチ部分を木で構成、階段昇り口を道路に向けていない。全体がよく考えられた住宅
部位:2.屋根
具体的手法:スカイライン(勾配)を工夫する
適用分類:6N、6W
改善レベル:新築レベル
1棟の中で統一された屋根形状(一体の建物の中で勾配を変える場合、慎重な意匠計画が必要)
部位:2.屋根
具体的手法:付属物の納まりをよくする
適用分類:−
改善レベル:新築レベル
小さな家の形態として、まとまった印象。縦樋を前面に見せない工夫をしている
部位:3.外壁
具体的手法:形態を工夫する
適用分類:4N、6N
改善レベル:新築レベル
外壁材料と屋根の納まりですっきりとした外観、素材の用い方と色彩が柔らかな効果をだしている
部位:3.外壁
具体的手法:素材を工夫する
適用分類:4W、6W
改善レベル:新築レベル
伝統的に自然素材を多用している日本家屋の色彩の調和
部位:3.外壁
具体的手法:素材を工夫する
適用分類:4W、6W
改善レベル:新築レベル
建物壁面の金属素材と特徴的な形が際立っているが外構の塀の個性的な素材との調和を見せている(塀は板と石とレンガの組み合わせ)
部位:4.開口部
具体的手法:窓の位置や大きさをそろえる
適用分類:4W、6W
改善レベル:新築レベル
大きな壁面に雑多な窓が並ばない工夫はプランとも関わること。外観について住み手との話し合いが大切である
部位:4.開口部
具体的手法:窓の位置や大きさをそろえる
適用分類:4W、6W
改善レベル:新築レベル
通りに面した窓の形状を揃える(海外の事例)
部位:4.開口部
具体的手法:窓の位置や大きさをそろえる
適用分類:4W、6W
改善レベル:新築レベル
開口部をデザインし建物の表情をつくっている
部位:5.出入口(玄関・勝手口・車庫)
具体的手法:扉の素材を工夫する
適用分類:−
改善レベル:改築レベル
木製の車庫の扉、半透明のバルコニー手摺壁、建物の表情を上手く構成している
部位:5.出入口(玄関・勝手口・車庫)
具体的手法:扉の素材を工夫する
適用分類:−
改善レベル:改築レベル
壁面も大きく、威圧感のあるファサードになりそうだが、素材と、外壁のデザインがシンプルに構成され、好感の持てる外観となっている
部位:5.出入口(玄関・勝手口・車庫)
具体的手法:扉の素材を工夫する
適用分類:−
改善レベル:新築レベル
木製引き戸の車庫扉、玄関建具はドアとなっている。瓦を載せた小庇と塗り壁の効果で、道路に迫っているが圧迫感も少ない
部位:8.付帯設備
具体的手法:メーター・設備機器類を納める
適用分類:−
改善レベル:改築レベル
メーターが目立たないように塀に埋め込む(左側黒い部分)


外構
部位:1.擁壁
具体的手法:素材を工夫する
適用分類:−
改善レベル:新築レベル
枕木を利用した素材の意外性があり面白い。コンテナの植栽も合わせデザイン意図が感じられる
部位:1.擁壁
具体的手法:素材を工夫する
適用分類:−
改善レベル:新築レベル
自然石の擁壁と植栽、建物緑化で好感が持てる。穏やかに調和したデザインである
部位:2.囲い
具体的手法:形態を工夫する
適用分類:−
改善レベル:改築レベル
建物外壁に沿わせて設置した2段植栽と塀。アプローチ廻りの植栽がしやすいつくりになっている
部位:2.囲い
具体的手法:素材を工夫する
適用分類:4W、6W
改善レベル:改築レベル
木と竹を取り合わせ、素材の扱いが個性的な塀
部位:2.囲い
具体的手法:素材を工夫する
適用分類:4W、6W
改善レベル:新築レベル
塀は高いがバルコニー手摺とデザインを統一。すっきりとした印象を与える
部位:2.囲い
具体的手法:緑化する(植物を飾る装置をつける)
適用分類:4W、6W
改善レベル:新築レベル
植栽と塀の工夫を凝らした取り合わせ
部位:3.アプローチ
具体的手法:門柱・表札等を工夫する
適用分類:−
改善レベル:DIYレベル
木製の多機能門柱
部位:3.アプローチ
具体的手法:素材を工夫する
適用分類:4N、4W
改善レベル:改築レベル
何気ない玄関がアプローチのつくりでホッとする場所となっている
部位:3.アプローチ
具体的手法:素材を工夫する
適用分類:4N、4W
改善レベル:改築レベル
レンガと多種類の中高木で構成。住み手に好感が持てる
部位:3.アプローチ
具体的手法:足元を緑化する
適用分類:−
改善レベル:改築レベル
階段蹴込部分の植栽。足元の植栽は穏やかさを感じさせる
部位:3.アプローチ
具体的手法:灯りを工夫する
適用分類:−
改善レベル:改築レベル
レンガと鉄と植物とで構成されたアーチ。室内の明かりの見え方にも華やぎがある
部位:4.階段
具体的手法:形態を工夫する
適用分類:−
改善レベル:新築レベル
緩やかなカーブの階段、植物と石積みとの構成で野趣あふれるつくり
部位:5.カーポート・自転車置場
具体的手法:ゲートをつける
適用分類:−
改善レベル:新築レベル
建物と一体型のゲート。床面の小舗石が描く曲線と明暗が奥行きを感じさせている
部位:5.カーポート・自転車置場
具体的手法:素材を工夫する
適用分類:−
改善レベル:改築レベル
コンクリートと石、曲線を描くタマリュウの目地
部位:6.デッキ・テラス
具体的手法:カーポート上部を利用する
適用分類:4N、6N
改善レベル:改築レベル
自立した構造の木製デッキとカーポート床の緑化ブロックが建物の硬い印象を和らげている
部位:6.デッキ・テラス
具体的手法:室内空間を広げる
適用分類:−
改善レベル:新築レベル
門扉と同じデザインの跳ね上げ式の扉がある。デッキの手摺壁を高くして中を隠しているが天空が開けているので開放感がある
部位:7.境界領域と庭
具体的手法:オープンガーデンをつくる
適用分類:−
改善レベル:新築レベル
住宅から通りへの植栽。郊外住宅地ではよく見かける光景であるが、都市部でも通りを意識した植栽を取り入れたい。まちなみ全体の印象に強い影響を与える
部位:7.境界領域と庭
具体的手法:オープンガーデンをつくる
適用分類:−
改善レベル:改築レベル
ささやかな家庭菜園。素朴なつくりだが愛嬌を感じさせる
部位:8.樹木
具体的手法:シンボルツリーを植える
適用分類:4N、6N
改善レベル:改築レベル
フラットな表面と木目のRC打放しで構成された建物と塀。樹形が軽やかなものを選んで、硬い印象とのバランスをとっている
部位:8.樹木
具体的手法:シンボルツリーを植える
適用分類:4N、6N
改善レベル:改築レベル
竹と緑そして個性的な塀は、白い壁に映える
部位:8.樹木
具体的手法:既存樹木を残す
適用分類:4W、6W
改善レベル:改築レベル
通りから見上げる樹木、小さな庭と住まいが偲ばれる板塀。懐かしさとともに穏やかなつくりを感じさせる
公共公益
部位:1.道路空間
具体的手法:素材(舗装)を工夫する
適用分類:−
改善レベル:改築レベル
水路との境界にあたるが、丸い瓦と石を使うことで曲線をさらにやわらかにつくり出している
部位:1.道路空間
具体的手法:素材(舗装)を工夫する
適用分類:−
改善レベル:改築レベル
宅地内の道路と歩行者専用道路との交差地点。街区の表示も兼ねて舗装材を変化させ、楽しい空間につくられている
部位:1.道路空間
具体的手法:街路樹等で緑化する
適用分類:−
改善レベル:改築レベル
海外の事例。コンテナと月桂樹の刈り込みが楽しい
部位:1.道路空間
具体的手法:排水溝を工夫する
適用分類:−
改善レベル:新築レベル
電線類もなく、道路線形はカーブを描く風景はゆったりとした空間を感じさせる。中央側溝がほどよいアクセントとなっている
部位:1.道路空間
具体的手法:電線(地中化)・電柱を目立たなくする
適用分類:−
改善レベル:新築レベル
電線類地中化は、まちなみをすっきり見せるのに重要
部位:1.道路空間
具体的手法:サイン・看板をデザインする
適用分類:−
改善レベル:改築レベル
街路灯にも地域のゆかりの事象をモチーフとしたものは多い。照明機能だけでなく、景観要素として連続性を利用し地域性を表現することもできる

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