講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


4. 今日の銭湯事情
黒岩:  銭湯の料金は都道府県ごとに上限が定められています。熊本県は大人400円ですが、神水公衆浴場は狭いので350円にしています。燃料には、環境に良い都市ガスを使っています。
松村:  あいにくコロナ禍の真っ只中での開業になってしまいました。利用状況はいかがですか?
黒岩:  ガラガラの状況はあまりなくて、かといって三密状態になることもなく、丁度いい感じです。ひょっとしたらコロナ明けにはプラスに転じるかもしれませんが、収支はトントンといったところです。利益目的で始めたわけではありませんし、既に生活の一部になっているので、このまま続けて行ければと思っています。
松村:  建築関連誌にも掲載されましたし、色々な取材が来たかと思います。神水公衆浴場を知った人から、同じような取り組みをしてみたいという連絡があったりしませんか?
黒岩:  1年ほど前、岐阜の方からそうした問い合わせがありましたが、銭湯を自宅に作るような人はなかなかいないのかもしれません。そもそも一般公衆浴場の新規申請そのものが、熊本では20年ぶりだったらしいですから。ちなみに僕が知っている限り、銭湯のみで生計を立てている方は一人もいません。皆さん何かしら別の仕事を持っていて、副業としてやってるようです。




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