講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


4.お風呂がライフスタイルを左右する

鈴木 お風呂の入り方は、どう考えていますか?日本式の、お風呂の外で体を洗ってから浴槽につかるというスタイルを高齢者の場合あきらめてしまうのか、あるいは残したいのか、ということですが。
園田 機能ではなくて、人間の尊厳というか、気持ちから考えると、高齢者からすれば浴槽の中だけで洗われてしまうと、「私ももうだめかな…」と思ってしまうのではないでしょうか。そう思うと、私はぎりぎりまで外で洗えて浴槽にボチャンとつかれるようにしたほうが良いと思います。それがお風呂の醍醐味かと思います。
鈴木 それはずっと残るという判断をしているのですか?例えばホテルでは西洋式浴槽の中で体を洗ってもそれで良いと思ってしまいますが。
村口 その点も議論があったことなのですが、湿式か乾式かということであれば、「楽隠居」のお風呂は湿式です。流しても良いということです。
鈴木 地域に銭湯があればサポートできるかもしれませんね。
松村 僕らが学生の頃は銭湯に行くのが普通でしたからね。
村口 今の学生は皆がバス・トイレ付きですよね。
松村 CO2排出量から考えると、お風呂が大きなエネルギーを占めるそうです。ヨーロッパなどはそもそもあまりお湯をためない習慣がありますね。日本だと、しっかり浴槽に水をためて、皆が毎日入りますよね。
園田 コミュニティー銭湯は重要かもしれませんね。最近は、銭湯ではなくてスポーツジムのお風呂を活用するようなライフスタイルもあるみたいです。
松村 ライフスタイルの中でお風呂は重要ですね。
園田 お風呂の問題はその人のライフスタイルを、かなり左右するかもしれませんね。

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