A夫さんがとつぜんに亡くなったあと、A子さんも心身ともに弱り、毎日の家事もしんどくなり、部屋に閉じこもることが多くなりました。心配した娘さんが、「宅老所」というところで、いつもお年寄りの笑い声が聞こえてくるという評判を聞き、そこに連れて行ってみることにしました。
最初はいやがっていたA子さんも、2、3回通ううちに、すっかりスタッフや仲間と打ち解けて、毎日いそいそと出かけるようになりました。建物は、古い民家を改造したものですので、「施設」に行くような身構えが必要なく、また、スタッフも子育てを終えた年代の方が多くて、ゆったり落ち着いて対応してくれます。決まったプログラムをするのでなく、その日の体調やメンバーに合わせてゲームをしたり、おやつを食べながらおしゃべりをしたり。ケアをしてもらうというより、昔なじみの家に遊びにいく、という感じがするからでしょう。A子さんのお気に入りの場所になりました。 |
|
|