高齢者向け住宅に関する自立支援と
認知症高齢者の心身機能維持との関係性
分析-5 食事の関連動作
食事の関連動作における、IADL差 (IADLの能力と実施状況の差) と認知症度及び介護度との有意な相関性はありませんでした。
食器類の量と家電の量との負の相関がありました。また、食事提供選択の可否、及び施設、併設施設との有意差がありました。
高齢者向け住宅は18m²タイプが多いため、各居室にキッチンをつけることは難しいのですが、オープンな共有キッチンをつくることで、食事づくりに参加してもらえることを気にかけている施設があります。施設スタッフのみ出入りするキッチンしかない施設では、食事づくりに入居者が参加することもなくなります。
分析-6 洗濯の関連動作
洗濯の関連動作における、IADL差 (IADLの能力と実施状況の差) と認知症度及び介護度との相関性はありませんでした。
特に女性から、自分の下着は自分で洗いたいとの意見を伺いました。物干し場のない居室でも、ベッドの手すりなどに干している方が多くおられました。
洗濯機をスタッフのみが操作するようにしている施設もありました。共用の洗濯機を、入居者が利用しやすいように配置している施設では、入居者自身で洗濯関連動作が行われていました。
洗濯機の所有状況と同時に、物干し場の所有状況の有意差がありました。物干し場がリビングから見渡せる状況にあることが大事ということも確認できました。
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