高齢者向け住宅に関する自立支援と
認知症高齢者の心身機能維持との関係性
分析-3 入浴の関連動作
入浴の関連動作に関する、IADL差 (IADLの能力と実施状況の差) と認知症度及び介護度との有意な相関性はありませんでした。
浴室の場所 (居室内か、居室外か) が、IADL差に影響するかを調べましたが、有意差は認められませんでした。
入浴時間を選択できるかどうかで、有意差がありました。自分で入浴の時間を決めると、入浴の関連動作も自分でやろうという気持ちになると考えられます。
施設、併設施設での有意差がありました。
15件中13件が住居エリアにユニットバス (個浴:多くが介護対応バス) を設けているにも関わらず、6件では全く利用されていませんでした。デイサービスなど併設施設の浴室を利用しているケースが大半でした。住居エリアの個浴を主に使っていたのは、併設施設が定期巡回や訪問介護のサービスを行っている施設でした。
分析-4 トイレ動作
トイレの場所が居室内か外かが、入浴の関連動作に関するIADL差 (IADLの能力と実施状況の差) に影響するかを見たところ、トイレが居室外にある施設が、居室内にある施設に比べてIADL差が小さいという結果になりました。これは、トイレが居室内にある施設 (G) について、能力と実施状況の差が際立って大きく、他の施設に比べて過介助であったことが要因と考えられます。この一事例を除くと、明確な差はみられませんでした。
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