応募部門 住宅
受賞者名 (株)JWA建築・都市設計 代表 渡辺 純
作品名 まちに開かれた前庭を かおとしてつくり込んだ家


●まちなみ配慮のポイント
 この住宅は設計者の両親が住む家であり比較的自由に設計ができたことでまちなみへの配慮を十分とることができたと思います。
  1. 調布駅南口から多摩川方面へとまっすぐ南へ向かう道は通称保健所通りと呼ばれ人々の往来が頻繁です。「調布の家」はその途中、駅から6分程歩いたあたり最初に畑の広がりが目に入る角地に位置し道路に正対して建ちます。まわりの一般家屋が東西方向に構えるのに対して南北方向に建物を構えることによって他とは異なるクリティカルな主張を見せています。
  2. 通りに対して前庭をかおとしてつくり込んでいます。建物西立面に設けた「垂直パ−ゴラ」はそうした意図を強調しようというものです。前庭に面した壁は突き出したようにつくった物入ボリュームであり、珪藻土左官仕上としています。道をはさんで反対側の畑の中から撮影した写真を示しますが、遠景としてこの建物の構えが家族の拠り所として何か確固たるものを示してくれたらと考えました。
  3. 往来の激しい西側の道に対し敷地南の脇道は付近の住宅街へのアクセス道です。主玄関を南西角に設け、角地の特性を十分に生かそうとしています。また住宅街のヒューマンなスケール感に合わせて分節を心掛け温かみのある表情を出そうとしています。玄関脇には開放したかたちで車除けガード兼路傍ベンチを設けており、近所のお年寄りが腰をかけて休んでいってくれます。
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