●まちなみ配慮のポイント |
敷地は幹線道路から入った住宅街に位置する。
北隣は教会の前庭に接しているので、この住宅のアプローチに木の列柱を配し、優しく隔て、前庭を連続させることで街並に緑と広がりをつくっている。
道路面の外壁板貼り、西日よけと防犯を兼ねた木格子で建物の威圧感をやわらげ、やすらいだ空間を演出している。
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講評
ブロック塀やコンクリート、タイルなど堅い素材によって無機質的な市街地景観になってしまいがちである傾向に対抗して、この住宅は、木材を外観に有効に活用して、まちなみにやわらかさを醸し出すのに貢献している。特に、木格子を用いることで、通気性にすぐれ、直射日光を遮り、蓄熱しにくくするといった環境的配慮がみられる。さらに、木格子がデザイン的にもアクセントとなり、木質の持つやわらかさと、見え隠れする半遮蔽・半共有の空間を作り出すことに成功している。アプローチの列柱にもデザイン性を持たせ、まちなみを和ませ、道を歩く人に安らぎのある景観を提供している。質感とデザインをうまく調和させたファサードを広げていくことで、まちなみを優れたものに変えていくきっかけになるすぐれた工夫が高く評価された。
「まちなみ住宅」100選 審査委員会
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