応募部門 エクステリア
受賞者名 鈴木善之、群芳園
作品名 2×4フェンス-構成1、及び構成2
防犯とプライバシーへの配慮


●まちなみ配慮のポイント
 住宅内にある道路側への圧迫感を和らげるため、道路との境界に建っていた従来の塀を撤去し、50cm後退させて木製フェンスを設置し、建物が道路に近い部分では塀をなくし、庭木のみで建物を囲った。
 又、塀は安価で容易に手に入る2×4材を用い、組立方法の工夫で、道路から緑の多い庭に視線が抜けると同時に、プライバシーも確保している。

講評
 住宅地の街並みを魅力ないものにしているのが塀や門、ガレージなど道路沿いの工作物である。家の中を飾っても、街並みにまで気が廻らないのか、現実の結果として汚い街の表情ができあがる。しかし、外構工事に使い易く、手頃な価格のものが少なく、気を使ってデザインすると価格があがり、建設資金をまわせない事情もある。
 この作品は、門や塀を取り除き、角地を解放し、道路沿いの緑を奥行きある形で見せ、落ち着いた魅力ある街並み空間を創出している。
 審査でもっとも注目したことは、2"×4"の木材を使ったフェンスである。2"×4"を斜め使いにして、防犯とプライバシーへの配慮がなされ、耐久性やメインテナス性への配慮もある。簡単な原理であって実際に上手に使っている例は少ない。アイディアは浮かんでも実現への説得は大変であってのではないかと推察する。出来上がったものを見れば良さは誰にでも解る。
 「商品化までは考えていないが…。」と作者は言っているが、近隣への普及はもとより、今回の受賞で広く応用して使われる機会となることを期待したい。

「まちなみ住宅」100選 審査委員会
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